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歯周病で失った組織を助けたい!

こんにちは!歯科助手の目時です。 寒さはまだまだ続いていますね。春が待ち遠しいです!   さて、今回は『歯周組織再生療法』についてのお話です。 歯周組織というのは、顎の骨をはじめとした歯の周辺の組織のことで、歯を支える役割を担っています。 ということは、たくさん失われてしまうと歯の寿命にも影響が出てしまうのです。   まず、歯周病の原因を振り返ります。 「プラーク」は何度か出てきている名前ですが、わかりやすく言うと「細菌のかたまり」のことです。そのプラークの中の歯周病菌の感染によって、歯の周りの組織に炎症が起きていきます。 歯周ポケットの奥のプラークや歯石が除去されれば炎症は治るのですが、除去されるまでに歯の周りの組織がたくさん失われていれば治療も難しくなっていきます。   歯周病が進行すると、プラークからでた歯周病菌が毒素や酸をつくり、歯を支えている組織を壊しながら体内に侵入していきます。 すると、体は免疫反応を起こして歯ぐきから血がでたり腫れたりします。 体は、体の本体を守ることを優先するため、感染を起こさないように、骨やコラーゲンを溶かす物質を出して自ら組織を破壊してしまうのです。 これは、感染源から一定の距離を保つためです。 それにより、顎の骨が溶けて歯周ポケットが深くなってしまいます。   一度失われた組織は、二度と戻らないのでしょうか。いいえ!その組織を再生させるための治療があります。それが『歯周組織再生療法』です。 歯周基本治療(スケーリングと歯磨き指導)の後、歯周外科治療を行います。特殊な再生材料や骨移植等を使い、歯を支える組織の再生を促していきます。     では、『歯周組織再生療法』の流れの例を紹介します。 ❶再生材料を塗布:歯茎を切ってめくり、再生材料を露出した歯の根に塗ります。 ❷縫合する:切った歯茎を元通りに縫合します。その後ほどなく血餅(けっぺい)ができます。この血餅がのちに歯を支える組織になっていきます。 ❸再生:再生材料の作用でもともと残っていた細胞が刺激され、歯を支える組織に変化していきます。 抜糸までの2週間は、その周囲で噛まないようにすること。そして、治療した歯の歯磨きをしないことです。その代わりに歯科でクリーニングをしますので、週に2回は通ってください。 治療の結果がわかるのは8〜9ヶ月後です。健康だった頃の状態までとはいきませんが回復していき、2〜3年かけて成熟します。   【治療後にしてはいけないこと3箇条】 ・タバコ:煙に含まれる有害物質が、組織への栄養や酸素の供給を妨げます。加熱タバコも同じです!   ・その歯で噛むこと:治療後はとてもデリケートです。強い力が加わることで、再生中の組織が壊れてしまうことがあります。   ・その歯の歯磨き:絶対に避けてください。その代わりに、おうちでは洗口液でのうがいをしてください。