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歯の数が減ると閉じこもりがちに?!

【歯の数が減ると閉じこもりがちに?!】

こんにちは!中里デンタルクリニック.の木村です。

ようやく春らしい天気、空気になってきましたね!当院のスタッフは花粉症で大変そうですが。。。

今回は残っている歯の本数と閉じこもりやすさについてお話しします。

そもそも閉じこもりとは…

▼一般に「外出頻度」が目安とされていて、寝たきりなどではないにもかかわらず週に1回も外出しないかた、外に出たとしても庭先くらいにしか足を運ばないかたを指します。

▼高齢のかたにとって、外出などの活動が減ることは、筋力の衰えを招き、転倒から寝たきりになりやすくなるほか、認知症やうつになる懸念があります。

▼65歳以上では10〜15%、75歳以上ではおよそ20%が閉じこもり状態にあると推定されています。

歯を失うと、噛みにくい、食べにくいだけでなく、さまざまな影響が出てくることがわかっています。食べられるものが限られ栄養の偏りが起こったり、認知症のリスクや死亡率が高まるという研究もあります。

いま高齢のかたに増えている「閉じこもり」も例外ではありません。歯がないお口を見せるのがいやで、人と会うのを避けがちになる。歯がない状態で苦労して食事をする姿を見られたくなくて、友人からの誘いがあってもお断りする―なんてこと、想像できますよね。そこで今回ご紹介するのは、「残っている歯の本数」と「閉じこもりのなりやすさ」についての研究です。

日本人の高齢者4390人を4年間、追跡した研究があります。すでに閉じこもり傾向にあるかた(外出は週に1回未満)は除外して、調査開始から4年後に閉じこもりになっていたかどうかを調べました。

まず、65〜74歳のかたは、統計学的な解析の結果、歯が20本以上残っている人に比べて、19本以下の人は閉じこもりになるリスクが有意に高くなっています。ただ、興味深い点として、19本以下の人でも入れ歯を使っていると、閉じこもりになるリスクは低くなっています。入れ歯により、人と会ったり食事をするのが億劫にならなくなったせいだと思われます。

75歳以上のかたの場合も、歯が19本以下だと閉じこもりになるリスクが高くなっています。しかしこちらのケースでは、入れ歯を使っていても、閉じこもりになるリスクはそれほど減っていません。おそらく75歳以上のかたでは、からだの病気による閉じこもりが多いためでしょう。

また、これに続く研究では、閉じこもりとお口の健康の悪化の関係も調査されました。その結果はやはり「Yes」で、閉じこもることで歯科医院に行かなかったり、歯みがきの回数が減ったり、人と話さないのでお口の筋肉が衰えたりなどが影響していると考えられます。お口の健康と閉じこもりは、双方向に関係しているのですね。