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持病とお薬、教えてくださいパート5

みなさん、新年明けましておめでとうございます!!本年も中里デンタルクリニック.をよろしくお願いいたします。2024年が始まりました。みなさんはどんな年末年始をお過ごしになられましたでしょうか?

  さて、今回は『持病とお薬、教えてくださいパート5:ステロイド剤』についてです。
1)ステロイド剤ってどんな薬なんでしょうか?
  からだに足りないステロイド分をステロイド剤で補います。
「ステロイド」とは、腎臓の上端にある副腎で作られる副腎皮質ホルモンの一種のことです。これはからだの中の炎症を抑えたり、免疫反応を抑える強い作用があります!このホルモンが持つ作用を薬として応用したものが『ステロイド剤』なのです。からだの炎症や免疫反応を抑えるのに、体内で作られるステロイドだけでは足りないときに使用します。塗り薬以外にも、飲み薬や注射薬があります。
  歯科治療を受ける際に要注意となる患者様は、『飲み薬のステロイド剤』を長期服用している患者様です。

※ストレスを感じると脳の視床下部から腎臓に指令がいき、副腎からステロイドが分泌され、ストレスへのからだの反応が緩和されるます。ステロイド剤は、体内で作られたステロイドが足りないときに使用します。

2)どんな人が使っているのでしょうか?
  自己免疫疾患の方が特に使用しています。
 ステロイド剤は、気管支喘息や悪性リンパ腫、ネフローゼ症候群など様々な病気の治療に  用いられています。特に自己免疫疾患をお持ちの方に、服用されています。
 例えば、免疫の異常により関節に炎症が起きて、痛みや腫れが生じている病気に関節リ ウマチがあります。ステロイド剤は過剰な免疫反応と炎症を抑え、痛みや腫れを緩和させます。

3)歯科治療とどう関係するのでしょうか?
  ①細菌感染が起こりやすくなります。
 「炎症」というとよくないものと考えられがちですが、細菌に対しからだが戦っている証拠でもあります。ステロイド剤を長期服用されている方は、炎症や免疫反応が起きにくくなります。そのため、歯を抜いた後や手術後の傷が治りにくくなり、膿んだり腫れたりしやすくなります。

  ②治療のストレスが大きくなることもあります。
 歯科治療に限らず、医療行為はからだにストレスを与えます。副腎皮質ホルモンは、そうしたストレスがからだに与える影響を軽減する作用があります。
 しかし、ステロイド剤の長期服用は副腎皮質ホルモンの分泌を抑えます。その結果、歯を抜いた後やインプラントなどの治療後に、発熱や嘔吐感、筋肉の痛み、血圧の低下といった体調の悪化を覚えることがあります。これらの症状は『副腎クリーゼ』と言います。

4)ステロイド剤を長期服用している患者様へ
  ①抗菌薬をしっかりお飲みください。
 ステロイド剤を長期服用している方は細菌感染を起こしやすいため、外科治療を受けられるときには、抗菌薬を通常より多めに飲んでいただいたり、前もって飲んでいただくこと(予防投与)があります。
  ②追加のステロイド剤を飲んでいただくこともあります。
 ストレスによる治療後の体調悪化を防ぐために、通常より多くステロイド剤を服用していただく「ステロイドカバー」が必要になることもあります。ステロイドカバーが必要かは医科の先生が決めますので、ステロイド剤を服用されている方は必ず、スタッフまでお伝えください。

☆おくすり手帳は、「安心・安全な歯科治療」のかけ橋となりますので、お持ちの方は持参するようにお願いいたします!