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見過ごせない!むし歯ゼロの子からのむし歯

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック.歯科衛生士の北田です。3月に入って春の暖かさを感じる季節になってきましたね。 今回は、子どものむし歯についてのお話です。最近子どものむし歯が減ったというニュースを耳にしたりしますが、それって本当なの?という疑問について、歯やお口に関する研究の結果を交えてお話します。 世界でいちばんかかっている人が多い病気とは、何だと思いますか?それはむし歯なのです…!世界保健機関(WHO)が291種類の病気を比較したところ、罹患者数で世界1位になったのは、「永久歯(大人の歯)のむし歯」で35.3%でした。歯の病気では、そのほかに「重度の歯周病」が6位(10.8%)、「乳歯(子どもの歯)のむし歯」が10位(9.0%)にランクインしています。お口の中の病気が上位に入っているとは驚きの結果ですよね…。この統計は医療界に非常なインパクトを与え、医科の権威ある学術誌「ランセット」ではじめて口腔保健特集が組まれるほどでした。 国際的な教科書では、高齢者や途上国の状況を考慮して、むし歯の減少は強調されていません。ですが、先進国の子どものむし歯だけに注目して「むし歯は減った」という認識がニュース等で広まっています。日本でも、「子どものむし歯が減った」というニュ―スを毎年耳にしますよね。 しかし、むし歯が減っているはずの日本の子どもたちも決して油断はできません。小学生1542人を対象とした調査で、むし歯の本数ごとに子どもたちをグループ分けして、1年後のむし歯の発生本数を調べました。その結果、「むし歯が1本の子」のグループからは、1年後には合計して77.5本、「2本の子」のグループからは68.4本「3本以上の子」 のグループからは56.5本のむし歯が発生しました。 これに対し、「0本の子」のグループからは300本ものむし歯が発生しています! 1人平均で計算すれば約0.26本とほかのグループの半分ほどとはいえ、それでも「最も多く300本ものむし歯が発生している群である」というのは、疫学的に興味深い事実です。自治体などによる子どものむし歯対策では、すでにむし歯のある、リスクの高い子たちが対象となりやす いのですが、「公衆衛生の観点から子どものむし歯を全体的に、効率的に減らすにはどうすればいいか」を考えると、むし歯が0本の子たちの予防もおろそかにはできません。 当院では、治療が終わった方に対してメインテナンスでむし歯や歯周病がないか検査し、クリーニングする事を推奨しております。定期的に通われていない方は1度お口の中の状態を知るためにも検診をしてみませんか? お口の中の状態を検査し、その上でむし歯や歯周病予防にオススメのケア用品も一人一人に提案させていただいております。歯ブラシや歯磨き粉などケア用品について疑問があればスタッフまでお声がけください!