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歯石とりで「しみる人」と「しみない人」

こんにちは!中里デンタルクリニック.アシスタントの荒谷です。6月だというのに、気温が低い日が続いており、体調管理が本当に難しいですよね。当院の患者様にも、当日に「体調が良くなくて…」と、残念ながらキャンセルされる方もいらっしゃいます。ぜひ、早く回復されて、またお口の健康を守っていきましょう! さて、今回はみんな大好き(?)歯石とりについて。そもそも歯石とは、細菌の塊であるプラーク(歯垢)に、唾液に含まれるリンやカルシウムがくっついて石灰化したものです。歯ブラシが当たりにくく、唾液が多く流れるところに沈着しやすいです。沈着するスピードは人によって違いますし、歯によっても違います。沈着しやすいのは下の前歯の裏側で、舌の下に、唾液が出てくる唾液腺があるためです。 歯石は長い年月沈着するほど、かたく歯に結合しますので、取り除いたときのしみる症状も増します。その中でも、歯周ポケットの中の「歯の根にできた歯石」は、取り除いたときのしみも酷くなりがちです。「何年振りかに歯医者にきた」「歯周病になっていた」「歯石とりですごくしみた」という場合は、おそらくこのタイプの歯石だと考えられます。 歯石には2種類あり、1つは歯ぐきよりも上(歯肉縁上)にできる歯石です。歯と歯ぐきの境目に溜まり、外から目で見ることができます。このタイプの歯石は、比較的簡単に除去することができますし、しみたとしても数日で収まります。気になる場合は、フッ素入り歯磨き剤を塗ることで、しみるのを緩和できます。もう1つは、歯周ポケットの中(歯肉縁下)にできる歯石です。歯ぐきの中にある、歯の根の表面に付着するため、外から目で見ることはできません。歯ぐきから出た血の鉄分などが沈着して黒っぽく見えるので、「血石」とも呼ばれています。このタイプの歯石は、細菌の溜まり場となり、歯周病が進行する原因にもなります。そもそも、歯ぐきの中に歯石ができるのは、歯周病になって、歯周ポケットができているということですし、歯ぐきから血が出るのは、歯ぐきに炎症が起きて出血しているということです。 歯の根を構成する象牙質は、歯の噛むところを構成するエナメル質よりも表面のきめが粗いため、歯石が深く入り込んで固くこびりつきます。よって、除去したときに酷くしみやすいのです。それに加え、歯の根の象牙質自体が、刺激を伝える構造をしていて敏感なのです。 歯石は専門家の手で定期的に清掃してもらえば、かたくこびりつかずに済み、除去後にしみる症状も起きにくくなります。歯石は歯ぐきの上・歯周ポケットの中のどちらにできるかわかりません。できれば、3ヶ月に一度は歯石とりをすることをおすすめします。そうすることで、「歯石とりでしみた」ということを減らせると考えています。 当院では、治療が全て終了した後の「メンテナンス」をとても大切にしているので、通っていただいている患者様にも、繰り返しお伝えしていることではあります。定期検診では、検査はもちろん、質の高い専用の機械で、歯に負担をかけずに歯石をしっかりと除去できます。将来のお口の中を守るためにも、ぜひ、通っていただきたいと心から思っています。