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じつはみんなドキドキ⁉︎  歯医者さんの麻酔の話

みなさま、こんにちは。 中里デンタルクリニック、受付の下舘です。 暑い夏がやってきましたね…。熱中症に気をつけて、こまめな水分補給をしてくださいね‼   今週は、「歯医者さんの麻酔の話」についてです。   歯科治療のなかでも不人気度がダントツ高い「歯科麻酔」。痛みを消し、治療を安全に行うために必須の治療ですが、「痛みを取るための麻酔注射が一番きらい‼」と言われるのがつらいところです…。「痛い」とか「怖い」とか言われやすい歯科ではこの残念なイメージを返上すべく、痛くない治療、怖くない治療のために努力を続けています。イマドキの歯科の麻酔事情をお伝えします。   「普通の注射と違って、歯科のはグーッと押されるようなにぶい痛みがある」と感じる方が多いのではないでしょうか⁉ 歯科で行う麻酔にはいくつかバリエーションがあります。 ・骨に染み込ませて効かせる【浸潤麻酔】 歯を削るとき、神経を取るとき、歯を抜くときなど、さまざまな治療で用いられています。麻酔を効かせたい場所の近くに麻酔薬を注入し、歯を支える骨へと浸み込ませ(浸潤させ)て神経に届かせます。大きな奥歯や、麻酔が効きにくい場合には、何本か注射することもあります。   ・ つつーっとスムーズに効く【歯根膜注射】 浸潤麻酔と同じく局所麻酔(部分麻酔)の一種です。歯を包んで歯と骨をつないでいる靱帯「歯根膜」に麻酔液を注入し、歯の周りに一気に効かせる方法です。浸潤麻酔が十分に効かないときに用いられる方法で、追加の麻酔注射として行う場合もあります。麻酔薬が神経に届きやすくスムーズに効くのが利点です。   ・ 広範囲にしっかりと効く【伝達麻酔】 局所麻酔(部分麻酔)の一種ですが、浸潤麻酔や歯根膜注射よりも広く長く効きます。あごを通る太い神経近くに麻酔薬を注入するので、例えば下あごの神経一ヵ所に注入するだけで、下あごの片側の広い範囲の歯に効きます。親しらずの抜歯やインプラントの手術や、骨が厚くて浸潤麻酔がなかなか効かないかたの奥歯の治療などに用いられます。   なかでも患者様の多くが体験しているのが、局所麻酔(部分麻酔)の代表格「浸潤麻酔」という注射です。痛みには大きく分けて3種類あります。 ❶針を歯ぐきに刺すときのチクリとする痛み ❷刺した針をさらに奥に進める痛み ❸麻酔液をグーッと注入する痛み ❶と❷は内科の注射でも感じる痛みです。歯科で特徴的なのが、❸の麻酔液を注入するときの、強く押されるような鈍い痛みです。これは歯を支える骨にピタリとくっつきパリッと張っている歯ぐきの下に麻酔薬を注入するときに起こる「圧迫痛」です。腕の皮膚のような伸縮性がない歯ぐきには、麻酔薬がスッと入るような遊びがありません。そのため麻酔薬が注入されると、圧迫痛がでやすいのです。   また、ある程度の強い圧をかけないと麻酔薬を歯ぐきのなかに注入できないので、麻酔注射の痛みやストレスを可能な限り抑えるための改善策として開発されたのが「電動注射器」です。ピストルみたいな見た目はけっこう驚きますが、自動制御で麻酔薬をゆっくりと一定の速度で注入できるため、圧迫痛の軽減に大変役立っています。そのほか、最初の針を刺す痛みを抑える「表面麻酔」(針を刺す位置の歯ぐきの表面に効かせて、針の刺さるチクッとする痛みを抑える)も行います。もちろん当院も行っていますので、ご安心ください‼   『よくある疑問』 ・麻酔が効きやすい人と効きにくい人がいるの? →麻酔が効きにくい人、それは骨ががっちりしていて浸潤麻酔が骨にしみ込みにくい人です。 ・炎症がひどいほど麻酔が効かない⁉ →炎症が激しいと、患部にできる酸が弱アルカリの麻酔薬の効き目を打ち消してしまいます。普段の倍注入しても効かず伝達麻酔が必要になるケースも…。 ・1本の歯に何度も麻酔を打つのはなぜ? →麻酔薬を歯の根全体に届かせる必要があるからです。特に奥歯は根の本数が多いため、麻酔薬を多く注入します。予想より骨が厚かったり炎症が激しいケースは、追加の麻酔が必要になることが多いです。 ・麻酔後のジ~ン、気になる… →特に伝達麻酔ではしばらく麻酔が切れません。軽いしびれが気になって触ったりするとキズや腫れの原因になります。お食事は口のなかやくちびるを噛みやすかったり、熱さも感じにくくヤケドの恐れもありますので、麻酔が切れるまでは我慢をお願いします。   さらに、歯科治療がすごく苦手…という方におススメが「笑気鎮静」です。 いつも不安でドキドキする方に治療のストレスを大幅に緩和できる「笑気鎮静法」という麻酔の一種で、鼻につけたマスクから低濃度の笑気(亜酸化窒素)と高濃度の酸素を吸います。ドキドキや緊張がやわらぎ、治療中もリラックスできます。点滴で麻酔薬を投与する全身麻酔とは違って意識があるまま治療が受けられるので、歯科医師とのコミュニケーションも全く普段通りにできます。この麻酔法は、もっぱらリラックス効果を目的とするものなので、さきにご紹介した浸潤麻酔、歯根膜注射、伝達麻酔、表面麻酔などの局所麻酔と併用します。歯科では古くから導入されていて、歴史のあるたいへん安全性の高い方法です。   「歯医者さんの麻酔」少しお分かりいただけましたでしょうか? 当院にも笑気鎮静器があります。お約束の際に、スタッフへ「笑気使えますか?」とお気軽にお声がけください♬