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スポーツ外傷への対処法って対処法って?!

こんにちは!!中里デンタルクリニック.です。 噛む力と運動能力の関係を科学的に研究しているのが『スポーツ歯学』という分野です。じつは近年の研究結果で、歯の健康や噛み合わせが体のバランスや筋力、動体視力などの運動能力に深く関わることがわかってきました。お子様のパフォーマンスがアップする歯学のスポーツ・サイエンスをご紹介します。   スポーツデンティストって知っていますか? 知らない方も多いと思います。それでは、「スポーツドクター」という言葉からは、どんな仕事を想像されるでしょうか? プロ野球の選手が故障した時に、アメリカの高名なスポーツドクターの元に渡って手術を受けた後、苦しいリハビリの期間を経て現役に復帰したという話がよくテレビでも取り上げられているので、ご存知の方が多いかもしれません。 「スポーツドクター」とは、スポーツでケガをした選手の治療はもちろん、ケガから復帰するためのリハビリの指導をしたり、あるいはケガをしないための日常の健康管理の指導、さらには練習メニューに助言などを行う医師のことで、幅広い知識を求められます。   同じように「スポーツデンティスト」も、歯や口の周囲にケガをした選手の応急処置、治療、そしてスポーツ選手が歯と口を健康に保つための日常の口腔管理と指導、さらにはスポーツによる歯や口の外傷予防のためのマウスガードの提供などが仕事になります。スポーツデンティストとは、選手の健康とよりよいパフォーマンスを口腔内から支える歯科医のことです。 転倒、打撲、殴打などによるスポーツ外傷への対応は、スポーツデンティストの重要な仕事です。歯が脱臼したり抜けたとき、歯の再植がうまくいくかどうかは、ケガから再植処置までの時間と、その間の歯の保存状態にかかっており、現場での適切な対応がカギを握っています。   そのため、パフォーマンスを支える大切な歯を守るために、外傷歯の治療やマウスガードによる予防のみならず、外傷を負ったときの応急処置についての、選手・コーチやマネージャーなどへの教育指導も、スポーツデンティストの重要な仕事です。   歯の再植を成功させる応急処置とは?! 抜けた歯が元通りにしっかりと再植されるには、あごの骨と歯をつないでいる歯根膜という線維が変質せずに保存されていることがもっとも重要です。歯が抜けると歯根膜は歯の根っこのほぼ真ん中ぐらいでプツッと切れてしまうと言われていますが、それでも変質させずに保存されていれば、歯が抜けてから30分以内なら、再び機能させることが可能で、その再植の成功率は90%以上にもなります。   ところが、歯根膜は乾燥に弱い上に、脱落した歯が地面に落ち、歯根膜線維に土や砂などがついてしまった時に30秒以上水洗いしてしまうと、歯根膜の持っている性質が変わってしまい、再植したとしても、再び機能させることは難しくなってしまうのです。歯根膜を守るには、20〜30秒以内の水洗いで土や砂などをサッと取り除き、抜けたもとの場所にそっと戻して歯科医院に連絡し、駆け込むことが肝心です。(戻せない状況下では、脱落した歯を牛乳、もしくは歯の保存液に保存し処置をしてもらうこと)もし、脱落したまま2時間以上も経ってしまった場合は、歯の再植はほぼ不可能となります。素早く適切な処置をすれば、選手の大切な歯を助けることができるのです。   スポーツは、安全に行われてはじめて意味をもちます。しかし、プレー中に歯のケガをしてしまったとき、適切な処置ができるかどうかは、選手の将来の健康とパフォーマンスに大きな影響を与えるということをぜひ知っていただきたいと思います。