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フッ素濃度の高い歯磨き剤が虫歯予防に効くって本当?

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニックの歯科衛生士松田です!最近季節の変わり目になってきて寒くなってきましたね・・・ 私も気温差で鼻水がとまりません・・・早く気温が安定してほしいものです(´;ω;`) みなさんも体調に気をつけてお過ごしくださいね!! さて、今回は「フッ素」のお話です。 よくフッ素濃度の高い歯磨き剤が虫歯予防に良いと聞きますが、濃度によって実際、どれくらい差があるんでしょう?また、歯磨き剤に濃度が書いてありますが調べる方法は無いんでしょうか? 今日はそんなお話をしていきます。 海外の研究では、フッ素濃度が1000ppmから1500ppmになると、虫歯になる歯面数が約20%減るといわれています。1000ppm以上の歯磨き剤には濃度の表示義務がありますので、表示されていないものは1000ppm未満と思われています。 2017年に、歯磨き剤に含まれるフッ素濃度の上限が1000ppmから1500ppmに引き上げられました。それから4年、1450ppmの高濃度フッ素を配合した歯磨き剤は、店頭や薬局でもおなじみのものとなりました。 濃度が上がったことによって、実際のところ、どれくらい虫歯の予防効果が変わるのか、気になる方も多いでしょう。 過去にアメリカで行われた研究をご紹介しましょう。8〜11歳の子供2415名を2つのグループに分け、1000ppmと1500ppmの歯磨き剤を三年間使用し続けてもらい、虫歯になった歯面数を比較しました。すると、1000ppmより1500ppmを使っていた人の方が、虫歯になった歯面数が21・8%少なかったのです。 世界保健機関(WHO】も、フッ素濃度1000ppm以上の歯磨き剤では、濃度が500ppm増すごとに虫歯予防効果が6%上がると述べています。 含まれるフッ素濃度が高くなると単純に虫歯予防効果も上がると言えますが、歯磨き剤によっては、パッケージにもチューブ本体にもフッ素濃度が記載されていないものがあります。実は「1450ppmの歯磨き剤にはフッ素濃度の表示義務があるものの、1000ppm未満の製品には表示がない」のです。お使いの製品の濃度がきになるなら、メーカーに問い合わせてみると良いでしょう。 とはいえ、「歯周病予防の成分が入っているから」「香味が気に入っているから」といった理由で、いまお使いの950ppmの製品が手放せない方もいらっしゃいますよね。また、6歳未満のお子さんは、1000ppm以上の使用は避けるようにすすめられています。そうした場合に、歯磨き剤を変えずに虫歯予防効果を高めたいのなら、みがく回数を増やしてフッ素が歯に供給される機会を増やす、あるいは歯磨き後のすすぎをできるだけ減らしてフッ素がより長くお口に残るようにしましょう。 歯磨きにプラスして、フッ素洗口液を利用するのも手です。最近は歯科医院のほか、薬局やドラッグストアでも手に入るようになってきました。歯科取り扱い品は450ppmで、市販品は225ppmです。 ちなみに、ppmはparts per millionの頭文字で、「100万に対して物質がどのくらい存在しているか」を表しています。1450ppmの場合、歯磨き剤全体を100gとするば、その「100万分の1450」の割合でフッ素が含まれていることを意味しています。 100gの100万分の1は0・0001g。これに1450をかけると0・145g=145mgとなります。%に直すと0・145%ですが、正直、小さすぎてピンときませんよね。「高濃度フッ素0・145%配合」といわれても、多さが伝わりません。というわけで、量の多少がイメージしやすいppmがフッ素の単位として使われているのです。 当院でも高濃度フッ素は一ヶ月に1回お塗りしています。定期的にフッ素を塗って歯を強くしていきましょう!