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デンタルフロス&歯間ブラシの使い方講座

皆さんこんにちは、歯科衛生士の松田です!最近は夏も終わりかけで肌寒くなってきましたね。風邪やコロナウイルスに十分気を付けて体調管理を続けていきましょう! さて、いきなりですが皆さんはデンタルフロスや歯間ブラシなどは使っているでしょうか?それとも歯ブラシだけで磨いているでしょうか? 実は歯ブラシだけだと落としきれない部分があるんです。。。 歯磨きは一日2回、3回している方が多い中、デンタルフロスや歯間ブラシなど補助用具を使う人は少数派です。しかし、歯と歯が接した「コンタクトポイント」「歯の根元周り」が、歯ブラシだけだと毛先が入っていなかったり当たりにくかったりして、しっかり歯磨きできる人でも虫歯や刺繍びょうになってしまう事が多いんです。 まず「コンタクトポイント」は、2本の歯がピッタリくっついて生えているとき、歯がぶつかっているところになります。この隙間には歯ブラシの毛先は物理的に入りません。しかしそれでも大きさ数マイクロメートルの細菌は入り込み、プラークを形成し酸を出して、虫歯のもとになります。ここに残った磨き残し(プラーク)はフロスでないととれません。 歯が隣り合ったところの「歯の根元周り」は、上の歯でも下の歯でも、根元周りには歯ブラシが当たりにくく、溜まったプラークはやがて時間とともに病原性を増し、歯周病の原因となります。特に歯の裏側の場合、表側よりもいっそう歯ブラシが届きにくいです。 ここに溜まったプラークを取り除くには、フロスや歯間ブラシを根元周りに沿うように当ててから、磨く必要があります。 歯の根元周りを清掃するには、フロスならば、コンタクトポイントに通した後に、そのまま根元周りまでフロスを持っていき、歯肉の溝に糸に優しく少しだけ入れ込んでから、歯の根元から歯の先端へと繰り返しフロスを動かします。 一方、歯間ブラシならば、歯と歯の間に押し込んだあと、歯の根元の表面にブラシの毛先が当たるように傾けてから動かします。 このとき気をつけていただきたいのが、歯と歯の間にある「歯間乳頭」を傷つけないようにすることです。歯間乳頭は、断面図で見ると凹状に凹んでいて、そこにプラークが溜まりやすい構造になっています。フロスや歯間ブラシを通すことで、このへこみのプラークはある程度落ちるのですが、凹部分の盛り上がった歯肉にフロスや歯間ブラシが直接当たるのが繰り返されると、歯肉が傷ついて歯と歯の間に目立った隙間が生じてしまいます。 では、歯間乳頭を傷つけないように清掃するには、フロスや歯間ブラシをどう動かせばよいのかというところですが、まずはフロスから説明します。 ①入れるときはのこぎりを引くように斜めにスライドさせながら挿入します。このときぐっと押し込むように入れてしまうと歯間乳頭に食い込んでしまい、痛みが生じます。 ②次は歯に沿わせるようにして、歯茎の溝に優しく入れ込みます。 ③最後は歯の表面に沿って、歯の根元から先端方向に向かって、書き出すようにフロスを動かします。 続いて、歯間ブラシの使い方についてです。 ①まずは挿入するのですが、このときの角度がとても重要です。歯間乳頭の頬側の盛り上がり部分の角度に合わせて、斜めに挿入します。上の歯なら、斜め下方向に、下の歯なら斜め上方向に。そっと優しく入れましょう。 ②次に、歯間乳頭の舌側の盛り上がりの部分の上を通過するように、垂直方向に角度を変えます。正しく傾けられていれば、歯間乳頭を傷つけることなく歯間ブラシを挿入できます。 ③最後に歯間ブラシを水平方向に傾け、歯の根元周りにそわせます。コンタクトポイントのすぐ下から根元周り磨きます。ワイヤーでなくブラシの毛先を当てるようにします。力を入れてゴシゴシすると、歯を傷つけますし、ワイヤーが反発して反り返って根元まわりに当たります。 これまでフロスと歯間ブラシの使い方についてお話しましたが、とてもコツが必要だったり、難しくてできないこともあると思います。そんなときは私達スタッフがお手伝いいたしますので、遠慮無くお申し付けください。