歯科治療のなかで、被せ物(クラウン)は広く用いられる治療法の一つですが、最近は保険適用で白い被せ物が可能なCAD/CAM技術が注目されています。ここでは、保険適用で行われるCAD/CAMの特徴やメリット・デメリット、そして自費診療がおすすめされる理由について詳しく解説します。
■CAD/CAMとは?
CAD/CAMは、Computer-Aided Design(コンピュータ支援設計)とComputer-Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)を略した言葉で、歯の形状をデジタルスキャンし、コンピュータ上で設計・製造する技術のことを指します。従来の手作業による製作よりも精度が高く、短期間での製作が可能です。昔は一部の歯のみ保険適用でしたが、現在はほぼ全ての歯に保険適用内でCAD/CAM冠を入れることができます。素材はセラミックとプラスチックを組み合わせたハイブリッドレジンと呼ばれるものが使用されます。
■CAD/CAMのメリット・デメリット
CAD/CAMの最大のメリットは、治療期間の短縮と見た目の自然さ、そして保険適用なので低コストで受けられるという点です。デジタルスキャンによる精密な型取りが可能で、患者様の歯にぴったり合った被せ物が作れます。しかし一方で、CAD/CAMはセラミックと比較するとデメリットも多くなります。まず、耐久性の問題です。保険適用の材料であるハイブリッドレジンは、純粋なセラミックと比べて耐久性が劣り、長期間の使用には不向きです。そのほか、汚れがつきやすく虫歯や歯周病のリスクが高いことや、プラスチックを使用しているので黄ばみ・着色、滑りが出やすいという点もあげられます。色調の再現性にも限界があるため、特に前歯など見た目が重視される部分には適さないことがあります。
より高い審美性や耐久性を叶えるためには自費診療のジルコニアやセラミックがおすすめです。
■セラミックやジルコニアなどの自費診療がおすすめな理由
①優れた審美性
セラミックは色調の再現性が高く、透明感の調整も可能なため、自然な見た目を追求できます。ジルコニアも着色や透過性の調整が可能で、美しさと強度のバランスが取れています。
②高い耐久性
セラミックやジルコニアは非常に硬く、耐久性が高い素材です。特にジルコニアは金属に匹敵する強度を持っており、奥歯のような強い咬合力がかかる部位にも適しています。
③ 生体親和性
金属アレルギーの心配がないため、アレルギー体質の方にも安心して使用できます。また、口腔内での化学的安定性が高く、腐食や劣化が少ないのも特徴です。
④ 低いプラーク付着性
セラミックやジルコニアの表面は非常に滑らかであるため、プラークが付きにくいです。虫歯や歯周病のリスクが低減され、長期間にわたって健康な口腔環境を保てます。
⑤精密なフィット感
被せ物や詰め物がぴったりと歯に合い、隙間からの細菌侵入を防ぐことができます。
⑥長期的なコストパフォーマンス
初期費用は他の材料に比べて高めですが、耐久性が高く、メンテナンスの頻度が低いため、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスが優れています。長持ちするため、再治療のリスクが少なく、結果的に経済的です。
■まとめ
最終的に、CAD/CAM技術とセラミックの被せ物のどちらを選ぶかは、個々のケースにより異なりますが、セラミックやジルコニアは、美しさ、耐久性、生体親和性、プラーク付着性の低さ、精密なフィット感など、多くの利点を持っています。
これらの特性により、審美性と機能性の両方を重視する治療において非常に優れた選択肢となっています。歯科治療を受ける際には、これらの素材の利点を考慮し、歯科医師と相談して最適な治療法を選ぶことが重要です。
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八戸市
補綴専門医
セラミック
ジルコニア ホワイトニング
インビザラインGO(マウスピース矯正)
中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
住所:八戸市鷹匠小路12-1
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