虫歯予防に重要な要素のひとつとして「フッ素塗布」や「フッ素入りの歯磨き粉を使用する」などを聞いたことはありませんか?しかし、聞いたことはあってもなぜフッ素が虫歯予防に効果的なのか根拠まではわからず、疑問に思っていたりいちまち信じられなかったりする人もいるかもしれません。
結論から言ってしまうと、フッ素が虫歯予防に効果的というのは事実です。フッ素の持つ働きが虫歯予防に効果的な作用をもたらします。
本記事では、フッ素の予防効果について詳しくお話ししていきます。
■そもそも「フッ素」って何?
フッ素は自然由来成分のひとつで、「フッ化物」や「フッ素化合物」の総称をさします。人工的につくられた成分ではありません。濃度は違えど市販の歯磨き粉のほとんどにはフッ素が含まれています。歯科医院でも予防処置のひとつとして歯の表面にフッ素を塗布する処置があります。フッ素は大量に摂取した場合中毒などを起こす可能性はありますが、歯磨き粉やフッ素塗布などで起こることはまずありません。歯磨き粉を1本飲み込んだとしてもそのリスクがないと言われているほど安全な量が使用されているので体への害はありません。
■フッ素の働き
フッ素がもつ働きを具体的に見ていきましょう。
①歯質の強化
歯の表面はエナメル質で覆われており、酸に溶けやすい性質を持っています。フッ素を与えることで、酸に強い性質に変え、酸への耐性が高まります。酸に強くなるということは虫歯への抵抗力を高めることになるので予防効果につながります。
②細菌(虫歯原因菌)の働きを抑える
虫歯の原因となる細菌の働きを抑制する働きがあるため、酸の産出も抑えて虫歯予防効果が期待できます。
③再石灰化の促進
酸によって溶かされた歯のエナメル質の修復を促す働きがあります。溶け出したカルシウムやリンを補うことでお口の中を中性へ戻し虫歯を予防します。
■虫歯予防に効果的!「フッ素塗布」
歯科医院で受けるフッ素塗布は、「フッ化物歯面塗布」と呼ばれることもあり、乳歯にも適応できるので大人だけでなく、1歳児から予防処置を受けることが可能です。市販品のフッ素濃度が約900〜1,500ppm※なのに対し、歯科医院で使用できるフッ素濃度は9,000ppmです。市販品と比べると濃度にも大きな差があるため、フッ素塗布を受けることでより高い予防効果が期待できます。
※市販品のフッ素濃度は1,500ppmまでと法律で定められています。
歯科医院でフッ素塗布を受けた場合、直後にお口をゆすいでしまうと、効果が弱くなってしまう為、塗布をした後30分程度は、お口の中をゆすぐのは控えるよう指示されます。
■まとめ
いかがでしたか?フッ素が虫歯予防に効果的と言われるのにはしっかり根拠があるのです。毎日のお手入れはもちろん、歯科医院で受ける予防処置などでフッ素を上手に活用しながら虫歯を予防していきましょう。当院でもフッ素塗布をおこなっておりますので、気になる方や虫歯を予防したいという方はぜひ一度ご相談ください!