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不潔な入れ歯は誤嚥性肺炎のリスク

皆さんこんにちは。中里デンタルクリニック.歯科衛生士の北田です。間もなく4月も終わり、ゴールデンウィークを迎えますが皆さんはどうお過ごしでしょうか?ご自宅で過ごされている方も多くいらっしゃると思いますが早くいつもの生活に戻れることを願うばかりですね…。 さて、今回はお掃除をしていない『不潔な入れ歯』に潜む目に見えない危険についてのお話です。 ご自分の歯があまり残っていない人でも「入れ歯で補うことで認知症のリスクを減らせる可能性がある」というようなお話があります。ですが、入れ歯をみがかないとお口の中が細菌でいっぱいになってしまいます!! ではお口の中が細菌でいっぱいになるとどんな問題があるのでしょうか? 日本の高齢者(65歳以上)7万人を対象にした研究で「入れ歯の清掃を毎日している人」に比べて、「毎日はお掃除していない人」は肺炎になった人の割合が1.3倍も多かったのです。さらに75歳以上の人に限ると1.58倍にもなりました。 入れ歯を毎日お掃除していないと肺炎のリスクが高まるーこの理由をみなさんも想像できるでしょう。お口の中の細菌が肺に入り、「誤嚥性肺炎」が起きてしまうと考えられます。 そもそも「誤嚥性肺炎」ってどうやって起きるのかご存知でない方も意外と多いのではないでしょうか? 誤嚥性肺炎は、お口の中の細菌が食べ物や唾液などと一緒に肺に入ることで起こります。また食べ物などを誤嚥しなくても実は睡眠中に無意識のうちに唾液が気管から肺に流れ込んでしまうこともあります。そうして飲み込まれた細菌が、肺で繁殖して肺炎を起こすのです。 また、実は入れ歯にも歯と同じように細菌のかたまり(プラークとよばれるザラザラしたもの)がつきます。入れ歯に細菌がたくさんついていると、唾液に含まれる細菌の量も増えると言われています。 誤嚥性肺炎になる危険性を減らすには、唾液中の細菌を減らすことが大切です。ということは毎日の入れ歯のお掃除は欠かせませんね。実際、介護を受けている高齢者や入院患者さんに対して、看護師や歯科衛生士、介護士が毎日お口のケアをしていると、肺炎になることが減ったという報告もあります。 最近は新型コロナウイルス感染症関連の報道が多く、あまり話題に上がりませんが、2019年の統計では、誤嚥性肺炎は国内で6番目に多い死因にランクインしています。入れ歯を毎日使われている方は、ぜひ毎日お掃除を!!