大人になってからの矯正治療を考える際、多くの人が気にするのが「何歳までに始めるべきか」という点です。しかし、実際矯正治療には厳密な年齢制限はありません。
年齢よりも重要なのは、患者様それぞれの歯や骨、歯ぐきの状態です。これらの健康状態が矯正治療の成功に大きく影響します。
◾️年齢よりも重要な歯の健康状態

①歯の状態
矯正治療を成功させるためには、まず歯の状態が健康であることが必要です。特に虫歯や歯周病がある場合、それらを治療してから矯正を始めるのが一般的です。健康な歯であれば、年齢に関係なく矯正治療は可能です。
②骨の状態
矯正治療は歯を動かすことで行われますが、その際に重要なのが顎の骨の状態です。若年期に比べて大人になると骨の柔軟性が低下しますが、それでも治療は可能です。骨の状態が良好であれば、問題なく矯正が行えます。
③歯ぐきの状態
歯ぐきの健康も無視できません。歯周病などで歯茎が弱っていると、矯正治療中にさらなる問題が発生する可能性があります。矯正治療を行う前に、歯ぐきの健康状態を確認し、必要なケアを行うことが重要です。
◾️矯正治療が難しい場合

大人になってからの歯科矯正治療は、全ての人が直ちに治療を始められるわけではありません。
以下では、矯正治療が難しい場合ついて詳しくご説明します。
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歯と歯ぐきの健康状態が悪い場合
矯正治療は、歯に力を加えて移動させる方法ですが、歯や歯ぐきが健康でなければ、治療中にさらなる問題が生じるリスクがあります。
例えば、歯ぐきが腫れて出血しやすい状態であれば、矯正装置によって刺激され、症状が悪化する可能性があります。そのため、矯正治療を始める前に、歯と歯ぐきの健康を改善することが重要です。
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虫歯や歯周病の進行が進んでいる場合
虫歯があると、矯正装置をつけることが難しくなるだけでなく、治療中に虫歯が悪化する可能性があります。また、歯周病が進行していると、歯を支える骨や組織が弱くなっているため、矯正力をかけることで歯が不安定になったり、治療が思うように進まなかったりすることがあります。
したがって、虫歯や歯周病の治療を優先し、進行を食い止めることが必要です。
③一部の歯がない場合
歯がない場合、矯正治療の計画が複雑になります。歯が欠けていることで、噛み合わせや歯列に不均衡が生じている場合、通常の矯正治療では対応しきれないことがあります。
このような場合は、欠けている歯を補うための補綴治療(ブリッジやインプラントなど)を組み合わせる必要があるかもしれません。
④骨粗鬆症などの骨の疾患がある場合
骨粗鬆症は骨密度が低下し、骨がもろくなる疾患であり、矯正治療に必要な骨の反応が得られにくくなることがあります。
このような骨の疾患がある場合、担当医が矯正治療の許可を出さないことがあります。骨の健康状態を改善するために、医師と連携して適切な治療を受けることが重要です。
◾️当院で行っているマウスピース矯正:年齢制限について

当院ではマウスピース矯正の「インビザラインGo」をご案内しております。
マウスピース矯正は、透明で取り外し可能な装置を使用し、歯を徐々に理想的な位置に移動させる矯正治療法です。
この方法は、従来のワイヤー矯正と比較して見た目が目立ちにくく、口腔内の清掃が容易であることから、選択する方が増えています。
しかし、マウスピース矯正には年齢制限があるのかという疑問を持つ方も多いのではないかと思います。
基本的に、マウスピース矯正には厳密な年齢制限はありません。子どもから大人まで幅広い年齢層に対応可能です。ただし、治療の適応性は患者様の歯の状態や成長段階によります。
以下に、年齢別に考慮すべきポイントを紹介します。
◾️大人の場合

大人の矯正治療においても、マウスピース矯正は非常に有効です。年齢による制限はほとんどなく、多くの成人がこの方法を選択しています。ただし、大人の場合、骨の成長がすでに完了しているため、歯の移動速度が遅くなることがあります。また、歯周病などの口腔内の健康状態によっては、治療が制限されることもあります。
◾️マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正は、透明な素材でできた取り外し可能な矯正器具を使用するため、見た目に配慮しつつ歯並びを整えることができます。従来のワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、成人の方や社会人にとっては大きなメリットです。また、マウスピースは取り外しが可能なので、食事や歯磨きの際に外すことができ、口腔内を清潔に保つことが容易です。
さらに、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
治療計画も3Dシミュレーションで確認することができるため、治療の進行状況や結果を事前にイメージしやすく、患者様にご納得していただいた上で治療の選択ができるという利点もあります。
◾️マウスピース矯正のデメリットと注意点
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく取り外しが可能なため人気がありますが、いくつかのデメリットと注意点があります。
まず、自己管理が求められる点です。食事や歯磨きの際には取り外す必要があり、装着時間を守らないと効果が減少します。また、複雑な歯列のケースでは限界があるため、適用できない場合もあります。
さらに、取り外しの際に紛失するリスクや、飲食物によってはマウスピースが着色することもあるため、注意が必要です。
このようなデメリットを理解し、適切な使用と管理を心がけることで、マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すことができます。
◾️大人の矯正治療のメリット

大人になってからの矯正治療には、実は多くのメリットがあります。まず、大人は自己管理能力が高いため、治療中のケアをしっかりと行うことができます。また、審美的な改善だけでなく、噛み合わせの改善や歯の寿命を延ばすことにもつながります。
◾️まとめ
大人の矯正治療には明確な年齢制限はありませんが、歯や骨、歯ぐきの健康状態が大きく影響します。
矯正治療を考えている方は、当院までご相談ください。
患者様のお口の状態に合わせて、最適なプランをご提案させていただきます。
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八戸市
補綴専門医
セラミック
ジルコニアホワイトニング
インビザラインGO(マウスピース矯正)
中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
住所:八戸市鷹匠小路12-1
Instagram:@nakasatodental
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