歯の豆知識【歯槽骨】について
みなさんこんにちは!中里デンタルクリニック.アシスタントの八幡です。
最近暖かい日が続き、花粉症で目や鼻がかゆい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、「歯槽骨」についてです。
歯のどこがどう悪くなっているかを理解して、より納得し安心して当院の治療を受けていただくために、知っていると役立つ豆知識をお伝えいたします。
歯槽骨は歯があごの中で育つと同時にでき、歯を失うと減っていく、歯とつねにセットで存在する骨です。
外側は硬い「緻密骨」ですが、内側はやわらかい「海綿骨」でできており、この外枠のクッションにより、衝撃に強い仕組みになっています。
歯槽骨はからだの骨と同様に、さかんに代謝をします。古くなった骨は歯骨細胞に壊され、骨芽細胞によって新しく修復されます。
この代謝のメカニズムを使っているのが矯正治療です。歯に圧力を加え、その刺激で骨が減るとそこへ歯が移動し、あいたところに骨芽細胞が新しい骨を作ります。破骨細胞と骨芽細胞の両者のバランスが健康に保たれるよう適切な力を加えるのが、プロの技さのです。
「歯槽骨」とひとくちに言いますが、そのしくみは、上あごと下あごで異なります。
上あごで良いことといえば、薬が効きやすいこと。抗生物質の飲み薬も麻酔注射もよく効きます。一方下あごは、厚い緻密骨に阻まれるので、飲み薬も麻酔注射も効きにくいです。「麻酔がなかなか効かなかった」という経験は、たいてい下あごの治療で起きていることが多いです。
歯周病が悪化すると歯槽骨が減りますが、それは歯骨細胞が優位になり、骨芽細胞の元気がなくなるからです。
炎症を取り除けば歯槽骨の喪失は止まり、よい状態を長く維持できれば骨芽細胞の働きで歯槽骨が戻ってきます。ただし、減りが大きいほど回復は困難になってしまします。
誰しも歯は抜きたくないものですが、無理して歯を保存すると次の治療が不利になることもあります。
炎症が広がり治療のすべのない歯を「痛くないから」と保存し続けるのは場合によっては考えものです。
いざ入れ歯が必要になった時、炎症で歯槽骨が大きく失われていては入れ歯は安定しません。また、インプラントを入れたくても骨が足りなくては埋入ができません。奥歯にインプラントを埋入する際、上顎洞内に骨の移植が必要になるケースもあります。
もし、このブログを読んでくださっていて、何かしらの症状があってもまだ受診をしていない方がいらっしゃいましたら、これをきっかけに是非中里デンタルクリニックへまずはお電話ください。