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タバコによるお口へのリスク

  みなさんこんにちは!中里デンタルクリニック.歯科衛生士の田中です!!先日から雪が降り始め、本格的に冬を感じる月となりました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?年末に向け忙しいと思いますが、体調に気をつけてお過ごしください!!  さて、今回は『タバコによるお口へのリスク』についてお話をしようと思います!!においや健康への配慮から急速に普及した加熱式タバコ。紙巻きタバコは歯周病など、お口への健康を悪化を助長することで知られていますが、加熱式タバコはどうなんでしょうか?紙巻きタバコと加熱式タバコの両方に含まれている成分に着目してみましょう。その成分は・・・『ニコチン』です。このニコチンはタバコの依存性の要となる物質で、お口の細胞や細菌にさまざまな悪影響を与えます。また、加熱式タバコはタバコ葉を燃焼させないため、主流煙中に含まれる一部有害物質は確かに減っていますが、ニコチンの量は紙巻きタバコと比べてそれほど減っていないのをご存知でしょうか?ニコチンは体に吸収されやすい特徴があります。ニコチンは肺に入る前にお口の粘膜にも触れるためお口の粘膜からも吸収されます。よって、お口の細胞に多種多様な害をもたらします。   ーニコチンがもたらすお口への影響 7つー ①粘膜への影響 歯ぐきや頬、口蓋、舌などの粘膜は日々の活動で常に負荷がかかっているため、微小な傷が絶えずあります。その傷を修復を促すために、張り巡らされた血管が酸素や栄養を運んでいます。しかし、ニコチンの血管収縮作用によって血流量を減少させてしまい、細胞の修復機能が落ちていきます。ニコチンは細胞の遺伝子を傷つけ、がん細胞の増殖や移転などを誘発します。 ②歯ぐきへの影響 ❶炎症を起こしやすくする  歯周病になっているときは、歯ぐきでは歯周病菌と免疫細胞が戦っています。その際に細胞から生み出される炎症性物質は、歯ぐきの細胞や顎の骨を破壊します。この炎症性物質をニコチンは生産を促します。 ❷歯茎の弾力を失わせる  歯ぐきの特徴として表面は角化して硬く、内部は弾力があります。ニコチンはその弾力のある内部組織の角化を進め、弾力を失わせます。そして、血流が悪くなり、栄養の供給や老廃物の除去機能が落ちていきます。 ❸細胞を弱くする  ニコチンにより活性酸素や一酸化窒素が作られると歯ぐきの細胞が酸化、老化していきます。 ③歯根膜への影響  歯根膜とは歯の根と顎の骨を結びつけている細胞の集まりのことです。歯根膜があるおかげで、歯は骨とくっついています。その歯根膜はニコチンの影響によって弱くなり、歯から剥がれやすくなります。 ④顎の骨への影響  ニコチンの分子量は小さいため骨にも届きます。骨は破骨細胞が古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作ります。この破壊と再生のバランスをニコチンは破壊の方に傾けてしまいます。治癒が遅延しするため、歯周病の外科治療やインプラント手術の際に禁煙をおすすめするのは、こういった理由があるためです。 ⑤細菌への影響  ニコチンを含むタバコ成分により、お口の細菌叢が悪性化します。歯周病菌をはじめとする病原性の高い菌が優勢になります。 ⑥歯周病への影響  ニコチンは歯周ポケットなどに住む歯周病菌の栄養になります。歯ぐきの中に侵入する力が上がり、定着しやすく、菌の出す毒素も増えます。また、ニコチンを含むタバコ成分は体の免疫反応をかく乱させ、通常なら細菌を攻撃するはずの免疫細胞を集まりにくくします。 ⑦むし歯菌への影響  むし歯菌には『糖から酸を作る力』と『糖からネバネバした粘着性物質を作って歯にくっつく力』があります。ここにニコチンが加わるとより多くの酸を生み出せるようになり、より強固に歯に付着するようになります。歯の表面に多くの酸や粘着性物質が長く触れることによってむし歯のリスクが上がります。  生涯、自分の歯でご飯を食べたくないですか?これを機にお口と禁煙への興味を持っていただけると幸いです。当院では禁煙指導も行なっております!お近くのスタッフまでお声がけください! では、良い週末をお過ごし下さい!