保険でできる白い被せ物!? CAD/CAM冠ってなあに?
皆さんこんにちは!! 中里デンタルクリニックアシスタントの山内です。
3月に入り、少しづつ暖かくなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
まだ雪がちらつく時もありますので、体調には充分にお気をつけくださいね。
さて、今回は「保険で作ることのできる白い被せ物、CAD/CAM冠」についてのお話です。
CAD/CAMというのは、歯科だけでなく、さまざまな工業製品の製作に使われている言葉です。CADはComputer Aided Design、CAMはComputer Aided Manufacturingの略称。つまり、手作業だったせ設計や製造をコンピュータで自動化して作る被せ物のことです。
CAD/CAM冠は入れられる歯が決まっており、これまでは小臼歯と大臼歯(ただし条件つき)で可能でしたが、今年の9月には前歯のCAD/CAM冠も保険でできるようになって、患者さんにさらに身近な治療になってきました。
CAD/CAM冠の材料は、フィラーというシリカやガラスなどの微粉末が高密度で練り込まれた特殊なレジンの塊です。実はこの材料の進化とともに適用範囲が広がってきたと言っても過言ではないんです。
まず、前歯のCAD/CAM冠用に製造された硬質レジンブロックの材料には、目立つ場所に使用する材料だけに少し特徴があります。半分がデンティン色(象牙質の色)を表現した濃い目の色、半分がエナメル質を表現した明るめで透明感のある色をしているんです。
また、大臼歯に入れるには、いくつかの条件をクリアすることが必要なんです。患者さんによっては、大臼歯のCAD/CAM冠は向いてない場合があります。
大臼歯といっても、第二大臼歯は認められていません。入れられるのは上下の第一大臼歯です。
それから、噛む力が過剰に強くかかる方は、大臼歯にCAD/CAM冠では破折や脱離のリスクがあるので、入れない方が安全です。大休止はただでさえ強い力がかかる歯です。これに歯ぎしりの癖が加わったりすると、ものすごい力になります。歯ぎしりでチタンのインプラント体をへし折っちゃう人もいるくらいです。こうした噛む力の強い方には、保険治療の場合、金属の被せ物(いわゆる銀歯)を選ぶのが安全なんです。
大臼歯のCAD/CAM冠用に認可されている硬質レジンブロックの強度は、通常の咬合力だったら十分に耐えられます。でも、丈夫さからいったら金属にはかないません。
患者さんの第二大臼歯が4本とも残っているかどうかも重要な条件です。第二大臼歯を失っていると、噛む力が第一大臼歯に集中的にかかるためです。
当院でもCAD/CAM冠を取り扱っていますが、強度の関係上、噛み合わせの強い方にはオススメしない場合もあります。
それ以外にも様々な被せ物の種類を取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。