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フッ素のお話

 新年、明けましておめでとうございます。中里デンタルクリニック.アシスタントの荒谷です。お正月はいかがお過ごしでしたでしょうか。年末から続く寒気の影響で、凍えながらも雪かきに精を出していた方もいらっしゃると思います。本当に、お疲れ様です。厳しい冬はまだまだこれからという感じもしますが、今年もなんとか乗り切っていきましょう!  さて、今回はフッ素のお話。皆さんは「歯のフッ素症」というのを聞いたことはありますか。フッ素症は歯が作られる時期に過剰にフッ素を摂取すると起こります。ですが、日本で普通に生活している分にはまず起こりません。1日の摂取量の目安とともに、解説していきますね。  歯の表面を覆う白色のエナメル質が不透明に白濁したり、褐色に変色したりしたものを「斑状歯」と呼びます。斑状歯は、あごの中で歯が作られている時期に高熱の病気にかかったり、テトラサイクリン系の抗生物質を服用したりした場合の他、フッ素を過剰摂取した場合も起こることがあります。これを歯のフッ素症といいます。そう聞いて、「フッ素を塗ると変色してしまう」と思いがちですが、実はこの「フッ素の過剰摂取」というのは、普通に暮らしている分には、そうそう起こりえない事なのです。  歯のフッ素症は、あごの中で歯の芽にカルシウムなどがついてエナメル質が硬くなるときに、飲み込まれた過剰なフッ素が移行すると生じます。たまに大人の方でフッ素症を気にする方もいますが、生えてからの歯にはフッ素症は起こりません。永久歯のエナメル質があごの中で作られるのは、出生から7~8歳までです。ですから、歯のフッ素症が起こり得るのは、この時期にフッ素を過剰に摂取した場合です。  フッ素症は多くの場合、飲料水に過剰のフッ素が含まれている地域で、生まれてから4~8年間その飲料水を摂取した人に現れます。具体的には、飲料水に1.5ppm以上のフッ素が含まれていると、生じる可能性があります。とはいえ、日本の水道は、水質基準によって規制されていますし、実際のフッ素量は基準よりも低い地域がほとんどです。  また、食品にも含まれていて、1日に体重1㎏あたり0.05mgのフッ素を栄養として摂取した方が良いとされています。例えば、4歳の平均体重は15.6kgなので、1日に取ったほうが良いフッ素の量は0.78mgとなります。しかし、実際には0.26mg程度しか摂取していないのが現状です。日本では、外国のように水道や食塩にフッ素は添加されていないですし、フッ素入りのシロップや錠剤も販売されていません。  そういうわけで、今の日本ではフッ素の過剰摂取は起こりにくい環境ですので、歯のフッ素症について神経質になる必要はありません。むしろ、虫歯予防にフッ素を積極的に活用してほしいと思います。フッ素入り歯磨き時は乳歯が生えてきてから、歯科医院でのフッ素塗付は1歳半くらいから、フッ素洗口液の使用は4歳くらいから始めるのがおすすめです。  フッ素は唾液に溶け出た必要な成分が歯の内部に戻って沈着する「再石灰化」を促してくれます。当院では月に一度、フッ素の塗付を行っております。フッ素の効果が高い歯磨き剤や、デンタルガムも取り扱っておりますので、ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。