
「ホワイトニング歯磨き粉」と聞くと歯が白くなるイメージを持つ方が多いですが、実際には歯の表面の着色汚れを除去し、本来の色調に近づけるセルフケア製品です。
本記事では、清掃剤や薬用成分の違い、製品選びのポイント、さらには歯科でのホワイトニングとの違いについて、科学的な視点を交えてわかりやすく解説します。
◾️ホワイトニング歯磨き粉ってどういうもの?
「ホワイトニング歯磨き粉」と聞くと、歯を真っ白にする魔法のような商品を想像される方もいるかもしれません。しかし、実際に市販されている多くのホワイトニング歯磨き粉は、歯の表面についたステイン(着色汚れ)を落とすことを目的としており、いわゆる“歯の漂白”とは異なります。
ここで言う“ホワイトニング”とは、紅茶やコーヒー、タバコなどで蓄積した汚れを清掃剤などの作用で除去し、歯の本来の白さを取り戻すことです。つまり、元々の歯の色より白くすることは難しく、歯科医院で行う医療的なホワイトニング治療とは根本的に異なります。
そのため、ホワイトニング歯磨き粉はあくまでセルフケアの一環としての位置づけであり、「手軽にできる着色ケア」「予防的な使用」として取り入れるのが良いとされています。
◾️ホワイトニング歯磨き粉を選ぶポイントとは?
①清掃剤の種類をチェック
市販のホワイトニング歯磨き粉の多くには、ステインを物理的に落とすための研磨剤(清掃剤)が配合されています。代表的なものとしてはシリカなどがあり、歯の表面の汚れをこすり落とす働きを持っています。ただし、研磨力が強すぎると歯のエナメル質を傷つける可能性があるため、粒子が細かくてマイルドな処方の製品を選ぶことが推奨されます。
「低研磨」と明記されている製品や、歯にやさしい処方であることを強調しているものが該当します。毎日使うものだからこそ、刺激が少なく、歯や歯ぐきに優しいものを選びたいところです。
②薬用成分の有無を確認する
薬用成分としては、ポリリン酸ナトリウムやピロリン酸ナトリウムなどが代表的です。これらの成分は、歯の表面にあるステインを浮かせて落としやすくしたり、新たな着色の付着を防止する働きがあるとされます。
また、フッ素が配合されている製品であれば、虫歯予防にも配慮されており、総合的なオーラルケアに役立ちます。ホワイトニング効果だけでなく、総合的な口腔内の健康を考慮して選ぶのがポイントです。
◾️こんな方に向いています:市販ホワイトニング歯磨き粉の活用方法
①日常のケアにプラスしたい方
普段から紅茶やワイン、カレーなど色の濃い飲食物を好む方には、日々の着色予防としてホワイトニング歯磨き粉を取り入れるのが効果的です。使い続けることで、新たなステインの付着を防ぎ、歯のトーンを維持する助けになります。
②オフィスホワイトニング後のメンテナンスにも
歯科医院でホワイトニング施術を受けたあと、その効果を長持ちさせたい方にも、市販のホワイトニング歯磨き粉は役立ちます。着色の定着を防ぐ補助的な役割を果たし、きれいな白さを保つためのサポートになります。
ただし、歯にしみやすくなっている時期は、低刺激タイプのものを選ぶようにしましょう。
◾️根本的に白くしたいなら?歯科でのホワイトニング治療
市販品では、「歯を白く見せる」ことはできても、歯の内部にまで作用するような根本的なホワイトニング効果は期待できません。歯の色そのものを変えたい場合には、歯科医院で行われるホワイトニング治療(オフィスホワイトニングやホームホワイトニング)を検討する必要があります。
これらの治療では、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を使用し、歯の象牙質の色を明るくすることが可能です。医療機関での施術であるため、効果の出方、安全性、適応などを歯科医師が判断して進めていくのが特徴です。
まとめ
市販のホワイトニング歯磨き粉は、あくまで歯の「表面汚れ」を落とすセルフケア用アイテムです。「白さを保つ」「軽度の着色汚れを落とす」目的においては一定の効果が期待できますが、「歯そのものを白くする」ことはできません。
歯を根本から白くしたい場合や、確かな効果を求める方は、歯科医院で提供される専門的なホワイトニングを選択肢に加えることが適切です。自身の希望とライフスタイルに合った方法で、口元の美しさを保っていきましょう。
【ご注意】
この記事は一般的な情報を提供するものであり、製品の効果や安全性を保証するものではありません。体質や歯の状態によっては合わない場合もありますので、製品の使用前には添付文書をよく読み、必要に応じて歯科医師にご相談ください。
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八戸市
補綴専門医
セラミック
ジルコニアホワイトニング
インビザラインGO(マウスピース矯正)
中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
住所:八戸市鷹匠小路12-1
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