歯の痛みと言えば虫歯を真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、実は虫歯以外にも歯が痛む原因はたくさんあります。
また、歯そのものに原因がない痛みもあります。
ここでは、よく見られる7つの原因と痛みの原因が歯にない「非歯原性歯痛」ついて詳しくご紹介します。
◾️歯が痛む原因1:歯肉炎

歯肉炎は歯ぐきの炎症です。歯と歯ぐきの境目にプラークがたまることで、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したりします。初期段階では痛みを感じないことも多いですが、進行すると歯ぐきが腫れ、痛みを伴うことがあります。
歯肉炎は歯周病の初期段階であり、適切なケアを行わないとさらに深刻な状態に進行する可能性があります。
◾️歯が痛む原因2:歯周病

歯周病は、歯を支える組織に炎症が起こる病気で、これが原因で歯が痛むことがあります。
歯周病は初期段階では痛みを感じないことが多いですが、進行すると歯ぐきが腫れたり、出血したりすることがあります。
これに伴い、歯の周囲に不快感や痛みを覚えるようになります。
特に、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間の隙間が深くなると、細菌が入り込み、炎症が悪化することで歯が浮いたような感覚や痛みを引き起こします。
また、歯周病が進行すると、歯がぐらつくことがあり、噛むときに痛みを感じることもあります。
◾️歯が痛む原因3:歯のひび割れ
歯のひび割れは、硬いものを噛んだり、事故などで強い衝撃を受けたりすることで発生します。ひび割れた歯は、噛んだ時に鋭い痛みを感じることがあります。ひび割れが深い場合は、歯髄(歯の神経)が影響を受け、持続的な痛みや感染のリスクが高まります。
◾️歯が痛む原因4:顎関節症
顎関節症は、顎の関節や筋肉に問題が生じる状態で、歯の痛みを引き起こすことがあります。この症状は、顎を動かすと痛みを感じるほか、頭痛や耳鳴りを伴うこともあります。ストレスや噛み合わせの問題が原因であることが多く、治療法は原因に応じて異なります。
◾️歯が痛む原因5:知覚過敏
知覚過敏は、歯のエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がったりすることで、歯の内部の象牙質が露出し、外部刺激に敏感になる状態です。冷たい飲み物や甘い食べ物を口にすると鋭い痛みを感じることがあります。
◾️歯が痛む原因6:親知らず

親知らずは、顎の奥に生えてくる最後の永久歯で、歯が生えるスペースが足りず、正しく生えることができない場合もあります。
その結果、周囲の歯や歯ぐきに圧迫や炎症を引き起こし、痛みを伴うことがあります。
◾️歯が痛む原因7:根っこの病気(根尖性歯周炎)

根尖性歯周炎は、歯の根の先端に炎症が起きる状態です。これは、虫歯が進行して歯髄が感染したり、外傷が原因で発症したりすることがあります。痛みは強く、歯を叩くと鋭い痛みを感じることが多いです。この状態は早急な治療が必要であり、放置すると歯を失うリスクがあります。
◾️痛みの原因が歯にない非歯原性歯痛

非歯原性歯痛とは、歯そのものが原因ではない歯の痛みを指します。
以下に、その代表的な種類と特徴を紹介します。
◾️筋・筋膜性歯痛
筋・筋膜性歯痛は、顎周辺の筋肉や筋膜が緊張することで引き起こされる痛みです。ストレスや不適切な噛み合わせ、歯ぎしりなどが原因で、顎の筋肉が過度に緊張し、歯に痛みが伝わります。
◾️ 神経障害性歯痛
神経障害性歯痛は、神経の損傷や異常が原因で発生する痛みです。三叉神経痛などがこれに該当します。この痛みは鋭い痛みや電気が走るような痛みとして感じられることがあります。
◾️神経血管性歯痛
神経血管性歯痛は、血管の異常や血流の問題が神経に影響を及ぼすことで生じる痛みです。片頭痛や群発頭痛が原因となることがあり、これらの頭痛が歯の痛みとして感じられることがあります。
◾️4. 上顎洞性歯痛
上顎洞性歯痛は、副鼻腔炎(特に上顎洞炎)が原因で発生する痛みです。上顎洞が鼻のすぐ下に位置しており、炎症が歯の痛みとして感じられることがあります。
◾️5. 心臓性歯痛
心臓性歯痛は、心臓の問題が原因で生じる痛みです。狭心症や心筋梗塞の際に、下顎や歯に痛みが放散されることがあります。このような痛みは、命に関わる可能性があるため、早急な医療対応が求められます。
◾️6. 精神疾患または心理社会的要因による歯痛
精神的ストレスや心理的要因が原因で、歯の痛みが生じることがあります。このタイプの痛みは、精神的な問題が解決されることで改善されることが多いです。
◾️7. 特発性歯痛(非定型歯痛を含む)
特定の原因が見つからない歯の痛みを特発性歯痛と呼びます。非定型歯痛とも言われ、診断が難しいことがあります。痛みのパターンや頻度が不規則であることが多いです。
◾️8. その他さまざまな疾患により生じる歯痛
その他にも、様々な全身疾患が原因で歯に痛みが生じることがあります。例えば、糖尿病や自己免疫疾患などが関与することがあります。
◾️非歯原性歯痛の診断と治療
非歯原性歯痛は、歯そのものを治療しても改善しないため、正確な診断が重要です。
歯科医師や医師による詳細な問診や検査が必要となり、原因に応じて、薬物療法やリハビリテーション、心理療法などが行われます。
※テーマパーク8020 「お口の病気と治療 > 非歯原性歯痛」参考
◾️まとめ
歯の痛みの原因は、虫歯だけではありません。歯肉炎、歯周病、親知らずの問題、歯のひび割れ、顎関節症、知覚過敏、根尖性歯周炎など、さまざまな要因が考えられます。
また、痛みの原因が歯ではないこともあります。
痛みや違和感を覚えたら、早めに歯科医院にご相談ください。
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八戸市
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中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
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