口腔機能発達不全症とは、口腔(こうくう)機能、つまりお口の中の機能が正常に発達しない状態を指します。
お口の中の機能とは、食べ物を食べたり、飲み込んだり、発音や呼吸などの基本的な機能のことを指します。
特に2〜10歳前後の子どもにとって、
このような機能が正常に発達しないと、日常生活や成長にさまざまな影響を与える可能性があります。
本日は口腔機能発達不全症の原因や、歯科医院で行われる検査方法についてご紹介いたします。■口腔機能発達不全症の原因
口腔機能発達不全症の原因は多岐にわたり、遺伝的要因、環境要因、生活習慣などが影響します。例えば、長期的な指しゃぶりや舌が正しい位置にない場合、食事の際の間違った咀嚼方法などが原因となることがあります。
また、アレルギー性鼻炎などの呼吸器系の問題も口腔機能の発達に影響を与えることがあります。
■口腔機能発達不全症の症状
口腔機能発達不全症の主な症状には、以下のようなものがあります。
①咀嚼がうまくできない
②食べ物を飲み込むのが難しい
③言葉を正しく発音できない
④よだれが多い
⑤口呼吸が多い
これらの症状は、日常生活においてさまざまな困難を引き起こす可能性があります。
そのため、早期の検査と対策が大切です。
■口腔機能発達不全症検査の重要性
口腔機能発達不全症検査は、口腔機能の発達状態を評価し、問題がある場合には適切な対策を講じるための第一歩です。この検査は、歯科医師や歯科衛生士、言語聴覚士などが行い、詳細な評価を行います。
■口腔機能発達不全症の検査装置のご紹介
1、りっぷるくん
「りっぷるくん」は、唇の閉じる力(口唇閉鎖力)を測定する装置です。口唇閉鎖力は、食事や会話、呼吸など日常生活の様々な場面で重要な役割を果たしています。
特に口唇閉鎖力が弱い子どもは、食べ(飲み)こぼしが起きる原因になったり、口呼吸の習慣が身についてしまう可能性があります。
2、プレオルソの使用
口唇閉鎖力や舌の癖の改善に役立つ歯列矯正装置です。この装置は、子どもの成長期に使用することで、正しい口腔習慣の形成をサポートします。プレオルソを装着することで、舌の位置を正しく誘導し、口の周りの筋肉を強化します。これにより、口呼吸や不正咬合の予防、さらには発音の改善にもつながります。簡単に装着でき、日常生活に支障をきたしにくいため、子どもにも取り入れやすい点が特徴です。
■口腔機能発達不全症の対策
検査結果に基づき、口腔機能発達不全症の対策が講じられます。以下は一般的な対策の例です。
1、日々のトレーニング
専門的なトレーニングを行い、咀嚼や嚥下、発音の機能を向上させます。例えば、以下のようなトレーニングは自宅で取り入れやすいです。
①あいうべ体操
あいうべ体操は、口を大きく「あ」「い」「う」「べ」と動かす簡単な運動で、口腔機能発達不全症に有効です。この体操により、口の周りの筋肉が鍛えられ、唇を閉じる力が向上します。
これが、口呼吸の改善や舌の正しい位置を覚える助けとなり、結果として正しい嚥下や発音の習得、歯並びの改善にも寄与します。日常的に続けることで、子どもの口腔機能が正常に発達し、健康な成長をサポートします。
②正しい舌の位置(スポットポジション)を覚える
日常的に舌の先端を上顎の前歯の裏(スポット)に軽く当てるようにしましょう。
日々の生活の中で意識しておかないと、舌癖がある子どもは無意識のうちに、舌をいつもの間違った位置に置いてしまうこともあるため、忘れないためにも、保護者の方の声掛けが大切です。
2、生活習慣の改善
生活習慣の見直しも重要です。例えば指しゃぶりや爪噛みなどが含まれます。
3、医療的対応
場合によっては、医療的な対応が必要となることもあります。アレルギーや鼻炎などの治療を行い、口腔機能の改善を図ります。
まとめ
口腔機能発達不全症は、成長期のうちに適切な対策を行うことで、将来的な問題を防ぐことができます。早期の検査と適切な対策が重要です。
保護者の方は、子どもの口腔機能に注意を払い、問題が疑われる場合には歯科医師・歯科衛生士に相談することをお勧めします。
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八戸市
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中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
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