歯科医院に行くのを渋ってしまう理由として、そもそも歯科医院に苦手意識があるからという人もいますが、「治療が一回では終わらないから面倒に感じる」「何度も通院するのが億劫」と思って先延ばしにしている人も少なくありません。
しかし歯科医院の治療が1回で終わらないのにはきちんと理由があります。みなさまの貴重なお時間をいただいて申し訳ないのですが、きちんと治療をしてお口の中の健康を回復させようとすると、どうしても時間が必要になります。本記事では歯科治療に関する理解をより深めていただくためにも、歯科医院の治療で時間や回数が必要になる理由をお話しします。
■理由その①計画に沿った治療が必要
その時起こっている痛みや違和感だけを取り除くようなその場しのぎの治療を行うことはもちろん可能ですが、それは単なるごまかし治療になってしまいます。すぐに治療が終わるので患者様も「楽だな」と感じるかもしれませんが、そういった治療は後々問題が再発するリスクが高くなってしまいます。特に歯科疾患は時間が経過すればするほど症状が悪化してしまうので、痛みや腫れだけを抑えるその場しのぎの処置をして、根本的な治療をせずに放置してしまうと、後々大掛かりな治療が必要になってしまいます。将来を見据え、長期間にわたって口腔内の健康を守るためには、しっかり計画を立てて、それに沿った治療が必要になります。
歯科医師の診察はもちろん、診断や治療に必要な各検査など、治療前の準備も必要になります。治療する歯がたった1本だとしても、こういった理由から時間や通院回数が必要になるのです。
■理由その②保険診療の場合1回あたりにかけられる時間に決まりがある
多くの方が保険診療内で治療を受けると思いますが、保険診療は自己負担額が3割で済む分、あらゆる規定やルールが定められており、治療時間もそのひとつです。保険診療では1回の治療にかけられる時間があらかじめ定められているので、それに沿って治療する必要があります。
■理由その③一気に終わらせられる治療は少ない
歯科治療はみなさんが想像しているよりも複雑なプロセスを経て行われます。虫歯治療もただ虫歯になっている部分を削るというだけではありません。削る部分を正確に見極めるための正確な検査も必要になりますし、失った歯質を補うための詰め物や被せ物の型取りをすれば、その補綴物が出来上がるまでに時間がかかります。歯科治療はひとつひとつ段階を踏んで丁寧に行われるものが多いので、一度に全てを終わらせることは難しいのです。そのため、お手数ですが患者様には何度か通院してもらうようになります。
■理由その④歯科疾患の進行状態によって治療内容が異なる
虫歯や歯周病などの歯科疾患はもちろん、トラブルの度合いや進行状況は患者様一人ひとり異なります。初期段階の虫歯であれば、1〜2回ほどですぐに治すことが可能ですが、虫歯が進行していて根管治療が必要になる場合は、より複雑な治療が必要になるため、何度も通院する必要があります。炎症性疾患である歯周病も、虫歯と同様に軽い炎症程度であれば 治療回数も時間もそれほどかかりませんが骨が痩せるような重度の状態まで進行してしまっていると、どうしても治療回数は多くなってしまいます。親知らずが腫れている場合も、安全性を考慮すると、一度炎症を抑えて落ち着いてから抜歯する必要があります。
■理由その⑤お口の中の全体のバランスを考えて治療する必要がある
お口の中や歯の治療を行う際は、全体のバランスまでしっかり考えて行う必要があります。親知らずを除くと、歯は全部生えそろっていれば28本あり、これらのバランスがしっかり保たれていることで、健康が維持されています。
1本の歯の治療をするにあたっても、28本の歯の調和を考慮して口腔内全体のバランスを考えながら治療することが必要になります。隣り合う歯の状態や噛み合わせの変化などを診ながら治療を進めるため、ある程度の通院回数や治療時間が必要になります。
■まとめ
歯科治療が1回で終わらない理由は、治療の内容の複雑さや治療の精度と安全性、制限など、たくさんの要因が組み合わさっています。患者様の将来を見据えてより安全で精度の高い治療を行うためには、どうしても時間や回数が必要になってしまいます。仕事や学業で忙しい方は、通院や治療について歯科医師と相談しながら進めることが大切です。
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八戸市
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中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
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