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タバコと歯周病の関係って?

歯周病は生活習慣と深い関係があると言われている歯科疾患で、全身の健康とも深く関連しています。特にタバコを吸っている人は歯周病の症状が悪化するとも言われています。歯周病は自分の歯を失う原因にもなるのでしっかり予防する必要があります。

本記事では、喫煙と歯周病の関連性について詳しくお話ししていきます。現在喫煙中の方もぜひ最後までご覧になってみてください。

■歯周病って一体どんな病気?


歯周病は、自分の歯を失う原因のほとんどを占めると言われているほど患者数が多い歯科疾患です。ブラッシングがしにくく、磨き残しなどによって細菌が蓄積して定着してしまいお口の中が感染することで発症する炎症性疾患です。超初期段階は「歯肉炎」と呼ばれており、歯肉炎が進行すると歯周病と呼ばれるようになります。歯周病は虫歯と異なって自覚症状が少なく、知らないうちに進行してしまうのが特徴です。進行して症状が悪化すると歯肉や歯の骨が溶け出してしまい、赤くなったり腫れるなどの症状がみられるようになります。重度の状態まで進行してようやく歯科医院を受診するという人も少なくありません。

■喫煙者は歯周病の症状も悪化する


タバコは健康に害を及ぼすということは多くの方がご存じだと思いますが、歯周病もその一つで、タバコはお口の中の健康へも害を及ぼします。タバコにはいろいろな化学物質が含まれていますが、「ニコチン」や発がん性物質をはじめとした有害物質は、200〜300に及ぶとも言われています。

喫煙者はそうでない人と比べると歯周病になりやすくて悪化しやすく、さらには治療しても治りにくいということが明らかになっています。ある統計データでは、1日あたり10本以上喫煙した場合歯周病にかかる危険性は大体5.4倍にまでおよび、その上10年以上喫煙していると重症化しやすくなるという結果も出ています。タバコがお口の中にもたらす影響というと多くの方が着色汚れや口臭などをイメージすると思いますが、歯周病などのリスクも高くなるということもしっかり知っておく必要があります。


■喫煙者は歯周病になっても気づきにくい


タバコは歯周病の症状を悪化させるとお話ししましたが、有害物質によるものだけが原因ではありません。歯周病になると歯肉の赤みや腫れ、出血などの症状が出ることが多いですが、この症状がタバコを吸っていると見た目上抑えられ、患者様自身も歯周病になっていることに気づきにくくなっています。

■歯周病治療をはじめても喫煙者は治りが悪く再発しやすい

歯周病になっていることに気づいて治療を行っても、非喫煙者と比較すると治りは遅く、効果が出にくいとされています。また、喫煙者は一度治療しても再発しやすいことも明らかになっています。というのもタバコに含まれている「一酸化炭素」は重要な組織に対する酸素供給を妨害し、有害物質のひとつ「ニコチン」は、血管を縮ませてしまい栄養不足状態や、酸欠になるからです。本来持っている免疫機能も正常に働かなくなり、治療したとしても細菌に感染しやすくなってしまうのです。


■まとめ

歯周病予防にはプラークコントロールと生活習慣の改善が欠かせません。セルフケアを丁寧に行うことはもちろん、定期的に歯科医院に通って自分では落としきれない汚れもしっかり綺麗にしてもらいましょう。