皆さん、こんにちは!中里デンタルクリニック.歯科衛生士の堀内です。皆様、いかがお過ごしでしょうか?寒い日々が続いていますね。風邪やインフルエンザなど流行っているそうなので、身体を温かくして、お気をつけくださいね!
さて今回の話題は「骨粗しょう症」です。
▼骨粗しょう症ってどんな病気?
骨吸収が過多になり、骨量が減っていく病気です。
骨は、 破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成が繰り返されることで、絶えず新しく生まれ変わっています(骨代謝といいます)。通常は骨吸収と骨形成のバランスは釣り合っているのですが、このバランスが崩れて骨吸収のほうが大きい状態が続くと、骨量が減り、骨の内部がスカスカになっていきます。
建物でいえば、内部にある柱や梁がなくなっていき、構造的にもろくなっている状態で、当然、骨折しやすくなります。一般に、ホルモンバランスの変化する、閉経後の女性がなることが多いです。
▼お薬はなんのため?
骨吸収を抑える作用があります。
骨代謝のバランスが崩れ、破骨細胞による骨吸収のほうが増えている状態ですので、骨吸収を抑制して、骨量が減らないようにしなくてはなりません。そのためのお薬が骨粗しょう症のお薬で、骨吸収を抑制することから「骨吸収抑制薬」と呼ばれます。いくつか種類がありますが、ビスフォスフォネート(BP)製剤がとくに知られています。飲み薬のほかに注射薬もあります。
▼歯科治療とどう関係する?
あごの骨の壊死が起こることも⋯!
骨粗しょう症は、からだの骨だけでなくあごの骨にも影響します。ですので、骨粗しょう症のかたはインプラントを入れるのが難しいのですが、それ以上に知っていただきたいことがあります。
骨粗しょう症のお薬を飲んでいるかたは、骨代謝を人為的に変えるお薬の影響により、抜歯やインプラントなど侵襲の大きな治療を受けた後に、「あごの骨の壊死」(顎骨壊死)が起こることがあるのです。頻度は推定0.1%(飲み薬の場合)と多くはないものの、一度発症すると治りにくい、非常につらい病気です。
▼歯科からのお願い!
①必ずお薬についてお教えください。
万一の顎骨壊死のリスクを避けるため、骨粗しょう症のお薬や注射を使用しているかたは必ず教えてください。お薬の影響は数ヵ月残りますので、数週間前に使用をやめたというかたも忘れずにお伝えください。
②医科の主治医との相談が必須です。
歯科治療を受けることが可能か、治療に際しお薬を止めるか止めないかは、医科の主治医と相談して決めていきます。患者さんの骨粗しょう症の病状や、お薬をどれくらいの期間使用しているかで、治療を受けられるかどうかは変わります。