「歯が少ない」は痩せすぎのリスク!?
皆さんこんにちは、中里デンタルクリニック.歯科衛生士の北田です。暑い日々が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?今回は、お口の中の歯の本数で体重減少のリスクが変わるということをお伝えします!
みなさんは太り過ぎだけでなく、痩せすぎも健康に悪いということをご存知でしょうか?日本ではBMIが18.5未満が「低体重」=痩せすぎとされています。
痩せすぎは良い事と思うかもしれませんが、実は高齢者の場合、痩せすぎだと死亡率が高くなります……。日英の高齢者を比べた研究では、日本人は痩せすぎで死亡する人が英国人より多いと報告されています。
歳をとったときに体重を維持するには、肉や魚などのタンパク質も含めて、「よく食べる」ことが必要です。食べる時に必要なのはやっぱり「歯」ですよね。
日本の高齢者5万3690人を3年間追跡して、歯の本数と体重の変化を調べた研究があります。そこでは、歯の本数が19本以下の人は、20本以上ある人に比べて「10%以上体重が減少するリスクが何倍になるか」を示しています。
歯が少ない人ほどそのリスクは高く、残っている歯が「10〜19本」の人のリスクは1.28倍、「1〜9本」の人は1.55倍、「0本」の人は1.62倍となっていて、0〜19本の人をまとめると1.41倍となっています。
しかし、入れ歯やブリッジなどで失った歯を補っていれば、体重が減少するリスクは減るのです。残っている歯が「0本」の人は、入れ歯やブリッジを入れていると体重減少のリスクが、1.63倍から1.47倍に低下します。残っている歯が、「1〜9本」の人、「10〜19本」の人でも、入れ歯やブリッジで補うとリスクが減少しました。
「歯がないと噛みにくくて食べられなくなる」、「入れ歯やブリッジを入れると噛めるようになる」というのは想像しやすくなったと思います。
高齢者の痩せすぎはフレイルという、前身的な虚弱につながりやすく、転倒や死亡率の増加にも影響します。よく食べられるお口を維持することが、適正な体重を維持して元気でいられる秘訣の1つだと思います。当院では治療が終わった後でも、定期的にメンテナンスをすることで皆さんのお口の健康を守るサポートをさせていただいています。もし定期的にメンテナンスをまだ受けられていない方がいましたら、当院はいつでもお待ちしています。