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女性に忍び寄る インターメディア菌

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニックの松田です。最近梅雨明けもして、かなり夏らしくなりましたね。。。 ジメジメからムシムシに変わり暑さが大変ですが、水分補給をしっかり行い体調管理していきたいですね! さて、今回は女性に忍び寄るインターメディア菌の紹介をしていきたいと思います。 女性の一生は、卵巣から分泌される女性ホルモン、エストロゲンに大きな影響を受けています。 エストロゲンは妊娠、出産、授乳に適したからだをつくるホルモンで、初潮を迎える頃から分泌量が急激に増え、20〜40代前半でピークを迎えます。 今回はエストロゲンが大好きな悪玉細菌についてお話ししましょう。 滲出液は、タンパク質や糖分などの歯ぐき(歯肉)から滲み出る歯栄養分が豊富に含まれる血清です。 歯肉炎がひどくなるほど歯ぐきからタップリと滲み出ますが、これは歯ぐきの周りに隠れ棲む細菌たちにとって格好の栄養源です。 歯ぐきの周りには、ジンジバリス菌、トレポネーマ菌、タンネレラ菌の悪玉3兄弟のほかにも、歯周病に関与する細菌が潜んでいます。そのひとつがインターメディア菌です。 やつらにとっての栄養ドリンクが、血液から歯肉溝滲出液に流れ込む女性ホルモン、エストロゲンなのです。 インターメディア菌は、エストロゲンをビタミンにして増えるグラム陰性菌です。女性が思春期を迎える と、エストロゲンが体内でさかんに分泌されるようになりますが、やつらはこれを狙っています。雑な歯みがきをしていると、活力源を得たインターメディア菌は内毒素をつくって撒き散らし、歯ぐきを腫らして「思春期性歯肉炎」を引き起こすのです。 エストロゲンの分泌が活発になる妊娠時に、インターメディア菌が爆発的に増殖して引き起こすのが妊娠性歯肉炎です。妊娠性歯肉炎は腫れて出血しやすく、これが起きると血液をエサにするジンジバリス菌などの極悪な歯周病原菌も元気になり、便乗して増殖するので、歯周病が悪化しやすくなります。 さらに怖ろしいのが、歯周病原菌の出す内毒素。歯ぐきから血流に乗って子宮に達し、子宮の筋肉を収縮させ陣痛を促すので、早産や低体重児出産の原因になってしまいます。 ぞっとするのが、切迫早産の妊婦さんの羊水から、ジンジバリス菌が見つかっていることです。この極悪な歯周病菌が、生まれてくる子どもに悪影響を与えている可能性もあるのです。 早産や低体重児出産を防ぐためにも、歯科の定期検診を受け、歯周病予防に取り組んでいきましょう。 当院では、定期検診を受けることを強くおすすめしております。今回の記事にも書きましたが、妊娠するとホルモンと歯周病の菌の関係で歯茎が腫れてしまう方もいらっしゃいます。そんな方へ適したブラッシング方法などもお伝えできると思いますので、ぜひ定期検診をうけてみませんか??