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教えて!歯医者さん

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック.アシスタントの石橋です。 梅雨の時期が近づいてきましたね。 今回は、治療を受けた後になって湧いてくる不安。歯科医院に対する本音の不安。そんな本音の質問にお答えします。 【Question】 奥歯に大きな虫歯ができて歯の根の治療を受けています。神経を取って、詰め物を入れ被せ物の出来上がりを待っているところですが、実はその歯は歯周病でもあります。これって歯の根の治療に影響しますか?(50代・男性) 【Answer】 歯の根の治療は何ヶ月もかかるものではないため、歯周病の影響は稀でしょう。ただ、重度の歯周病の方が治療を途中で中断されて、歯周病が歯の先端近くまで進行すると、治療が台無しになってしまいます。もしものケースですが、ご説明しましょう。 〈解説〉 虫歯になって「歯がズキズキ痛む」というのは、たいていの場合、細菌感染が歯の内部の神経(歯髄)にまで及んでいるときに起こります。細菌の炎症により神経が死んでいくときに、強い痛みが生じるのです。痛みを取るには、まず①細菌感染を起こした部分をきれいに取り除きます。歯の表面の虫歯部分はもとより、内部の神経も除去します。歯の根を通る管(根管)内も掃除するので、歯の根の治療は「根幹治療」とも呼ばれます。  感染部分を取り除いたあとは、内部を洗浄して、消毒薬などで埋めてから、② 仮の詰め物でふたをします。その後、③本番の被せ物が出来上がったら、内部を詰め替えて被せ物を入れます。被せ物の製作には日数がかかるので、出来上がるまでには仮の詰め物で過ごしていただきます。ご質問の患者さんはこの状態ですね。さて、このとき歯周病になっているとどうなるのか。端的に言えば、そのまま最後まで治療を受けていただければ問題はありません。ただし、もしもの話ですが、❷の段階で治療を中断して、歯周病が放置されて10度に進行したとしましょう。  そもそも歯の根の治療は、「細菌感染を封じ込める」ことが目的です。細菌に感染した部分の除去に加え、内部を埋めることで、取りきれなかった部分に残る細菌の活動も封じ込めます(生き埋めにするわけですね)。細菌の活動が止まれば、虫歯の進行も止まり、痛みも治ります。  ですが、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなり、歯の根の先端の海とつながるーーつまり、トンネルが開通すると、根の先端から細菌が歯の内部に入ってきてしまいます。  こうなると、細菌感染が再び歯の内部で進行。治療が台無しになり、痛みも再発。歯を残すことも難しくなります。  仮の詰め物自体も長期間は持ちませんので、治療は中断せず、必ず最後までお受けくださいね。