虫歯と歯周病予防とは?
皆さんこんにちは、中里デンタルクリニック.歯科衛生士の田口です。
最近気温が上がってきましたね。日中は暑いですが、まだまだ朝晩は気温の寒暖差があるので体調管理に気を付けましょう。
さて今回はお口の2大疾患「虫歯と歯周病の予防」についてです。
虫歯予防でできること、それはズバリ砂糖の摂取量と頻度を減らすことです。
砂糖には依存性があり、甘いものを食べるとまた食べたくなります。また、落ち着きのなさや集中力の欠如、記憶力の低下、短絡的で攻撃的な性向につながりやすいとも言われています。
飲食後、お口のなかでは、細菌の生み出す酸や飲食物の酸により歯の成分が溶け出し (脱灰)、 その後、時間をかけて唾液が成分を歯に戻していきます (再石灰化)。溶かすカが戻す力を上回る状態が長期間続くと、むし歯になっていきます。
このとき、甘いものの「量」もポイントですが、食べる「頻度や時間」 が問題となります。ひっきりなしに甘いものがお口のなかにあると、唾液が歯を修復する時間が取れません。ですから、のどあめを絶えず舐めていたり、ドリンクをチビチビ飲んでいたりすると、むし歯になりやすいのです。野菜ジュースやスポーツドリンクなど、ヘルシーなイメージのものにも意外に砂糖は入っていますのでご注意してください。全く砂糖を取らないことは難しいです。あくまでも常備しないことが大切です。お出かけの時、お祝いの時など限定して食べてみるのも良いでしょう。
次に歯周病についてです。
歯周病の予防はバイオフィルムの除去です。
バイオフィルムとは歯に付着する細菌の塊のことです。プラークが残っている状態が長く続くとバイオフィルムとなります。健康な歯茎は歯とぴったりくっついていますが、境目には2mm程度のすき間があり、そこにネバネバしたバイオフィルムが溜まります。
毎日の歯磨きはプラークを取り除くことが目的です。プラークが残っている状態が長く続くと、歯茎に炎症が起き、歯と歯茎のすき間が深くなり「歯周ポケット」ができます。
歯周病になると、歯茎から出血します。血液には鉄とタンパク質がたっぷり含まれていますが、これは歯周病菌の大好物です。歯周病菌は血液を栄養にして、バイオフィルムを拡大し、歯周ポケットを深くしていきます。
同じ部位の歯茎から出血が続くと、出血していない部位に比べ歯を失ってしまうリスクが数倍増加します。
歯周病の特徴は知らず知らずに進行してしまうことです。短期間で歯がぐらぐらになって抜け落ちてしまうことは普通ありません。統計的には、歯周病になりにくい人が1割、進行しやすい人が1割、残りの8割の人はゆっくり進行していきます。大事なのはセルフケアと早期に歯周病を発見・治療することが重要です。また、発症する前に止めることも大切と言われ、特に子供の頃からの予防が大事です。中学生以降になると部活動や習い事などで忙しく、なかなか歯科医院に通う時間を確保することが難しい場合もあると思います。しかし、この後のお口の健康を守るために定期検診は必要不可欠です。
当院の定期検診では染め出しを行い、目視でバイオフィルムを確認し見逃しや除去漏れがないようにクリーニングを行なっており、「GBT」という最新の予防システムを導入しています。
皆さんも日頃の食生活を見直し、自宅での歯磨きと歯科受診を通じて健康なお口を維持していきましょう。