予防の常識・非常識
こんにちは。中里デンタルクリニックアシスタントの荒谷です。今週は10年に一度の低温がくるということで…すごく不安はありますが、今から色々と対策して、なんとか乗り切りましょう!
さて、今回は虫歯や歯周病の予防について、ありがちな誤解をまとめました。お口の健康管理にお役立てください。
【常識1】
✖️「歯周病は怖い病気」
〇「セルフケアと歯科のサポートで歯は残せます」
歯を失う怖い病気というイメージが強い歯周病ですが、テレビのCMなどでみられるように、短期間で歯がグラグラになって抜け落ちることは普通はありません。統計的には、歯周病になりにくい人は1割、進行しやすい人も1割で、残りの8割の人は、ゆっくりと進行していきます。
歯周病を予防するには、セルフケアだけでなく、歯周病の早期発見が重要です。早く異常がわかれば、その分早く手が打てます。そのためには、歯科医院で定期的に検診を受けることが大切です。もし歯周病になっていて治療を受けたのなら、治療が終わった時が歯を守る新たなスタート地点です。再発を予防するために検診に通いましょう。
ちなみに、タバコは歯周病の進行を進めます。ある歯科医院で、約4,800人の初診患者さんの喫煙状況と、歯周病の進行度を比較したところ、中等度・重度歯周病の方の割合が、30代の喫煙患者さんと、40代の非喫煙患者さんとで同じくらいになりました。また、40代の喫煙患者さんと、50代の非喫煙患者さん、そして50代の喫煙患者さんと、60代の非喫煙患者さんとでも、同じような割合でした。
つまり、「タバコを吸っている人は、吸わない人より10年歯周病の進行が速くなる」と言えます。歯周病を予防したいのなら、タバコはきっぱりとやめた方が良いと言えますね。(加熱式タバコも同じです)
【常識2】
✖️「虫歯になるのは甘いものをたくさん食べているから」
〇「量より食べ方が問題です」
甘いものを控えているはずなのに、虫歯になってしまう。それは「食べ方」に問題があるのかもしれません。飲食後、お口の中では細菌の生み出す酸や、飲食物の酸により、歯の成分が溶け出す脱灰が起こり、その後、時間をかけて唾液が成分を戻していく再石灰化が起こります。溶かす力が戻す力を上回る状態が長時間続くと、虫歯になってしまいます。
この時、甘いものの「量」以上に、食べる「頻度や時間」が問題となります。ひっきりなしに甘いものがお口の中にあると、唾液が菌を修復する時間が取れません。ですから、のど飴を絶えず舐めていたり、ドリンクをちびちび飲んでいたりすると、虫歯になりやすいのです。野菜ジュースやスポーツドリンクなど、ヘルシーなイメージのものにも、意外に砂糖は入っていますのでご注意を。
中里デンタルクリニックでは、「唾液検査」を実施しており、歯科衛生士が皆さんのお口の状態や、生活習慣にあった予防の方法をご提案しています。ぜひ、毎日のセルフケアにお役立てくださいね。