虫歯と歯周病の予防のありがちな誤解
皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック歯科衛生士の田口です。
最近コロナウイルスの感染者数がまた増えてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。引き続き、体調管理に気をつけていきましょう。
さて、今回は『虫歯と歯周病の予防のありがちな誤解』です。
①歯周病は歯を失う怖い病気
歯を失う怖い病気というイメージが強い歯周病ですが、短期間で歯がグラグラになって抜け落ちてしまうことは普通はありません。統計的には、歯周病になりにくい人が1割、進行しやすい人が1割、残りの8割の人はゆっくり進行していきます。
歯周病を予防するには、セルフケアだけでなく、歯周病の早期発見が重要です。早く異常が分かれば、その分早く手が打てます。そのためには、定期的に歯科医院で健診を受けることが大切です。もし歯周病になっていて治療を受けたのなら、治療が終わった時が歯を守る新たなスタート地点です。再発を予防するために健診に通いましょう。
また、タバコは歯周病の進行を速めると言われています。約4800人の初診患者さんの喫煙状況と歯周病の進行度を比較したところ、中等度・重度歯周病の方の割合が30代の喫煙患者さんと、40代の非喫煙患者さんでは同じくらいになりました。40代の喫煙患者さんと50代の非喫煙患者さん、50代の喫煙患者さんと60代の非喫煙患者さんも同じような割合でした。
つまり、「タバコを吸っている人は、吸わない人より10年歯周病の進行が速くなる」と言えます。歯周病を予防するために、タバコはキッパリやめましょう。(加熱式タバコも同じです。)
②歯周ポケットは歯ブラシで綺麗に磨ける
歯周ポケット(歯茎の溝)の中はプラークと呼ばれる細菌の塊がたまりやすい場所で、たまったプラークは歯周病の原因になります。そのため、この部分を歯ブラシで注意して磨いている方も多いことでしょう。
ですが、歯ブラシでは溝の中のプラークを完全には取りきれません。しかも、力任せに無理に溝の中にブラシの毛先を入れようとすると、歯茎が傷つきやせ、虫歯になりやすい歯の根面が露出してしまいます。
歯茎を傷つけずに綺麗にプラークを取り除く磨き方を、教えていますので是非お気軽にご相談ください。また、歯茎の深い溝や歯周ポケットの中の掃除も私たちにお任せください。
歯と歯の間をデンタルフロスや歯間ブラシで磨くことと、虫歯予防のためにフッ素入り歯磨き粉を使うことも忘れないでくださいね。
③虫歯になるのは甘いものをたくさん食べているから。
甘いものを控えているはずなのに、虫歯になってしまう…それは甘いものの食べ方に問題があるのかもしれません。
飲食後、お口の中では、細菌の生み出す酸や飲食物の酸により歯の成分が溶け出し(脱灰)、その後、時間をかけて唾液が成分を歯に戻していきます(再石灰化)。溶かす力が戻す力を上回る状態が長時間続くと、虫歯になります。
この時、甘いものの「量」以上に、食べる「頻度や時間」が問題となります。ひっきりなしに甘いものがお口の中にあると、唾液が歯を修復する時間が取れません。ですから、のど飴を絶えず舐めていたり、ドリンクをチビチビ飲んでいたりすると、虫歯になりやすいのです。野菜ジュースやスポーツドリンクなど、ヘルシーなイメージのものにも意外に砂糖は入っていますのでご注意ください。
当医院では、皆さんのお口の状態や生活習慣に合った予防の方法をご提案しています。また唾液検査により、詳しく歯と歯茎の健康や口内の清潔度を調べることができます。この検査結果をもとに患者様一人一人に合ったケア方法をお伝えしていましたので、毎日のセルフケアに役立つこと間違いありません!検査自体はとても簡単なものでしたので、ぜひお試しください。