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根の治療の際につける「ラバーダム」について

皆さんこんにちは!最近徐々に肌寒くなってきて、コロナにインフルエンザ…ますます感染対策が大切な季節になってきましたね。 今回は、当院で根の治療をする際にご提案をさせていただいている「ラバーダム」についてです。ラバーダムをつける前にご説明はさせていただいていますが、何のためにやっているのだったっけ…?とか、もう少し詳しく知りたい!という方必見です!! ラバーダムは治療している歯への唾液の流入を防ぐ(防湿する)ために行われています。英語でいうとrubber dam。つまりゴムのダム【唾液が入ってこないように食い止めるダム】ということですね。歯の根の治療は、根管内から細菌を取り除くことと、根管内に細菌を入れないことがとても大切なんです。 でも、そもそもなぜ唾液が入ってこないようにしたいのかといいますと、根の治療は「細菌を根管のなかから可能な限り取り除くこと」ですので、細菌が根管内の神経に感染を起こす、またそれにより根の先に膿ができるせいで、強い痛みが生じるのです。 感染の痛みを取るには、細菌感染により死んだ神経を除去し、汚染された根管を洗浄・消毒、充填・封鎖しなくてはなりません。それは別の角度から見れば、処置中にほかのところから細菌が根管内に入ってきてしまうと、治療の成功がおぼつかなくなるということでもあります。 細菌が入ってくるいちばんのルートといえば唾液。唾液のなかには細菌がたくさんいます。根管を掃除しているときや、根管を充填しているときにまわりの唾液で濡れたら、根管内が細菌で新たに汚染されてしまいますよね。そうした事態を防ぐのがゴムのシート・・・つまりラバーダムの役割なのです。 また、詰め物(コンポジットレジン)を詰めたり、かぶせ物を接着するセメントを塗るときに唾液(水分)が侵入してしまうと、歯と効率よく接着しません。そのため、ラバーダムは詰め物や被せ物の治療にも利用されたりもします。もちろん削りかすなどの異物の誤嚥を防ぐ効果もあります。 くわえて、治療する歯以外がゴムのシートで覆われることによって、患者さんの息でミラーがくもらなくなるなど、治療がスムーズになるメリットもあります。 ラバーダムは歯が留め金で挟まれるのが気になったり、息苦しいといったことから窮屈に感じられるかたも多いかとは思いますが、将来の自分の歯の為にほんの少しの我慢とご理解をしていただけたらと思いますので、ご協力の程よろしくお願います。