
銀歯を白くする方法は、歯の位置と治す範囲で変わります
目立つ銀歯を白くするには、歯医者で白い詰め物や被せ物に取りかえる方法があります。使える素材や保険が使えるかどうかは、歯のある場所と治す広さによって変わります。小臼歯の小さな詰め物と奥歯の被せ物では、選べる素材も費用も同じではありません。
この記事では、コンポジットレジン・CAD/CAM冠・セラミックの特徴、保険と自由診療の費用の目安、症状のない銀歯を替えるかどうかの考え方、見える部分から進めるときの相談のしかたを整理します。素材を決める前に、気になる歯とご希望、歯の状態を確かめることが出発点です。
この記事の要点まとめ
- 銀歯の交換では、歯の位置・治す範囲・噛む力に応じて素材の候補が変わります。
- 保険適用や費用は素材や歯の状態で異なるため、診察時に治療内容と総額を確認しましょう。
- 症状のない銀歯は希望と歯への負担を踏まえて検討し、見える部分からの交換も相談できます。
目次
- 目立つ銀歯を白くしたいとき、素材より先に考えることは?
- 小臼歯の詰め物と奥歯の被せ物では、使える白い素材は違う?
- 保険で白くできるのはどんな場合?費用はどこで変わる?
- 症状のない銀歯も替えるべき?見える部分から少しずつ進められる?
- よくある質問
目立つ銀歯を白くしたいとき、素材より先に考えることは?

素材名から選ぶより先に、どの歯をどこまで白くしたいか、予算や通院の事情はどうか、そして検査で分かる歯の状態を整理することが先です。動画や集合写真を横から見て銀歯に気づいた場合も、まずは「どの歯が見えているのか」を特定するところから始まります。
白い素材を選ぶ前に、気になる位置と希望、歯の状態を整理する
当院では、治療方針をご提案する前に、患者さま一人ひとりのご要望とご事情をうかがい、検査結果から現在のお口の状態をご説明する順序で進めております。素材のお話はそのあとです。
相談の前に、次の点をメモしておくと話が進めやすくなります。
- 笑ったときに見える歯はどれか(まっすぐ前から見えるか、横から見えるか)
- その銀歯が詰め物(歯の一部)か、かぶせ物(歯の全体覆う)か
- 予算の考え方と、通える回数や曜日
ホワイトニングや歯磨き粉では銀歯の色は変わらない
ホワイトニングや市販の歯磨き粉は天然の歯に働きかけるもので、金属の色は変わりません。銀歯を白くするには、白い素材への交換が必要です。白い素材は周りの歯の色に合わせて作るため、ご自分の歯の黄ばみも気になる場合は、歯の色の相談も一緒にしておくと順番を考えやすくなります。
素材名だけでなく、残っている歯と噛み合わせを踏まえて相談する
同じ白い素材でも、残っている歯の量や噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの有無によって向き不向きが変わります。見た目だけで選ぶと、欠けやすさや歯への負担を見落とすことがあります。
当院の院長は、日本補綴歯科学会の専門医です。大学病院の専門の外来で、詰め物や被せ物の治療にたずさわってきました。その経験を、お口全体のようすをふまえたご提案に生かしております。
ポイント
「どの素材にするか」は最後に決めることです。気になる歯の位置とご希望、検査で分かる歯の状態がそろってから、候補が絞られていきます。
小臼歯の詰め物と奥歯の被せ物では、使える白い素材は違う?

違います。歯の位置(前歯・小臼歯・奥歯)と、詰め物か被せ物かという治す範囲、さらに噛む力によって、候補になる素材が変わります。「白くするならセラミック」と一つに決まるわけではありません。
前歯・小臼歯・奥歯と、詰め物・被せ物で変わる白い素材の選択肢
当院では審美素材を複数ご用意し、患者さまのお口の状態とご希望に合わせて選ぶ方針をとっております。むし歯治療のあとに詰め物としてセラミックインレーを選ぶ方もいれば、被せ物としてジルコニアクラウンを選ぶ方もいて、歯ごとに素材が異なることもあります。
位置と範囲ごとに、よく候補にあがる素材を整理すると次のようになります。
| 歯の位置と範囲 | 保険診療で検討される素材 | 自由診療で検討される素材 |
|---|---|---|
| 前歯の詰め物 | コンポジットレジン | セラミックの詰め物 |
| 前歯の被せ物 | 硬質レジン前装冠、CAD/CAM冠 | オールセラミック、ジルコニア、メタルボンド |
| 小臼歯の詰め物 | コンポジットレジン、CAD/CAMインレー | セラミックインレー |
| 小臼歯の被せ物 | CAD/CAM冠 | オールセラミック、ジルコニア、メタルボンド |
| 奥歯(大臼歯)の詰め物 | コンポジットレジン、CAD/CAMインレー(条件あり) | セラミックインレー |
| 奥歯(大臼歯)の被せ物 | CAD/CAM冠(条件あり) | ジルコニア、オールセラミック、メタルボンド |
保険が使えるかどうかは、表の位置に当てはまるだけでは決まらず、噛み合わせや歯の残り方などの条件で判断されます。扱っている素材も医療機関によって違うため、ご自分の歯で選べる候補は相談時にご確認ください。
横から見える小臼歯の詰め物は、範囲の大きさで候補が分かれる
笑ったときに横から見えやすいのが、上の小臼歯です。ここの詰め物が小さければ、コンポジットレジン(歯科用のプラスチック)を歯に直接詰めて固める方法が候補になります。型取りがいらないため、症例によっては原則1回の通院で終わる場合があります。
一方、レジンは時間とともに色がくすんだり、すり減ったりすることがあります。詰める範囲が広いと、噛む力で欠けやすくなる点にも注意が必要です。
範囲が大きい場合は、型を取って作るCAD/CAMインレーやセラミックインレーが候補にあがります。CAD/CAMインレーは保険で選べることがある一方、セラミックに比べると変色やすり減りが起こりやすいとされます。セラミックインレーは色の変化が少ない反面、自由診療になり、強い力で欠けることもあります。
奥の被せ物は噛む力と歯ぎしりの有無で向く素材が変わる
奥歯は噛む力が強くかかるため、被せ物の素材選びでは見た目と同じくらい強さを考えます。候補になるのは、CAD/CAM冠、オールセラミック、ジルコニア、メタルボンド(金属の土台に陶材を焼き付けたもの)などです。
- CAD/CAM冠:保険で選べる場合があるが、強い力がかかると割れたり外れたりすることがある
- オールセラミック:透明感があり見た目が自然に近いが、強い力では欠けることがある
- ジルコニア:割れにくく奥歯でも検討されやすいが、透明感はやや控えめ
- メタルボンド:内側に金属があるため強さがあるが、歯ぐきの境目が暗く見えることがある
歯ぎしりや食いしばりがある場合は、どの素材でも欠けやすさを考える必要があります。寝ている間のマウスピースを併用して、被せ物と歯を守る方法が検討されることもあります。
奥の銀歯は、大きく口を開けたときにどの程度見えるかも判断の材料になります。見えにくい位置なら強さを優先する、見えやすい位置なら見た目との兼ね合いを考える、というように、位置ごとに優先順位を相談していきます。
保険で白くできるのはどんな場合?費用はどこで変わる?
白くするにはすべて自費、とは限りません。歯の位置や症例によっては保険で白い素材を選べますが、当てはまるかどうかは検査と診断で決まります。費用は1本の素材代だけでなく、外したあとの歯の状態でも変わります。
「白い歯は自費」と思い込む前に、保険適用の条件を知っておく
コンポジットレジン、CAD/CAMインレー・CAD/CAM冠、前歯の硬質レジン前装冠などは、歯の部位や症例、噛み合わせなどの条件を満たすと保険で選べます。ご自分で見当をつけるなら、「どの歯か」「詰め物か被せ物か」「歯ぎしりや強い食いしばりがあるか」の3点が手がかりになります。ただし、残っている歯の量や噛み合わせの状態によって判断が変わるため、最終的には診察で確かめます。
相談するときに確かめたい、1本の金額以外にかかる費用
かかる金額は、保険を使うか自費にするかと、選ぶ素材によって変わります。自費(保険が使えない治療)の被せ物は、素材や医院によって金額にはばがあります。
- 保険で選べることがある白い素材:コンポジットレジン、CAD/CAMインレー、CAD/CAM冠、硬質レジン前装冠
- 自費で選ぶ素材:オールセラミック、ジルコニア、メタルボンド
じっさいの費用は医院ごとにちがい、当院の費用は診察のあとでお伝えします。示された金額が、診察・レントゲン・銀歯を外す処置・土台・仮歯・型取り・つける処置のどこまでを含むかも、事前に確かめておくと総額を見通しやすくなります。
外した銀歯の下にむし歯や古い土台の問題があると、治療と費用が変わる
銀歯を外すと、すき間から進んだむし歯(二次むし歯)や歯のひび、古い土台の傷みが見つかることがあります。詰め物の予定が被せ物に変わったり、根の治療が加わったりすると、通院回数も費用も増えます。
ポイント
「外したあとに予定が変わるとしたら、どんな場合か」を事前に聞いておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
症状のない銀歯も替えるべき?見える部分から少しずつ進められる?
問題なく使えている銀歯は、見た目のご希望と歯への負担を比べて替えるかどうかを決めるもので、急いで全部を替える必要があるとは限りません。見える部分から進めるかどうかも、検査結果とご希望を踏まえて相談する事柄です。
困らず噛めている歯を削り直す前に知っておきたいこと
古い詰め物を外すときには、周りの歯も少し削れることがあります。やり直しを重ねるほど、ご自分の歯は少しずつ減っていきます。
一方で、すき間や段差がある、むし歯が疑われる、外れかけているといった場合は、交換を考える目安になります。外れかけた奥歯の銀歯をきっかけに、次の素材を考え始める方も多くいらっしゃいます。
銀歯を外す前に、検査結果と治療内容の説明を確認する
当院では、検査の結果や治療の内容をお伝えするときに、専用の説明ツール(Dental XR)を使います。説明に使った資料は、患者さまにお渡ししております。その場で決めずに資料を持ち帰り、ご家族と相談しながら考えていただけます。
見える部分から白くしたいときは、予算や通院の希望も伝える
当院では、TC(トリートメントコーディネーター)がカウンセリングを担当し、プライバシーに配慮した専用の個室をご用意しております。「まずは横から見える歯だけを」「教育費を優先したい」といったご事情も、見た目のご希望と同じように遠慮なくお話しください。どの歯から進めるか、どこまで替えるかは、そのうえで一緒に考えてまいります。
交換後のしみや欠け・外れと、通院回数の見通し
交換後には、一時的なしみ、欠け、外れ、境目からのむし歯が起こることがあります。定期検診で早めに見つけられれば、小さな対応で済む場合があります。
通う回数は、コンポジットレジンならふつうは1回ですが、歯の状態によって変わります。型を取る詰め物やかぶせ物は、2回以上になることが多いです。ご自分の場合の回数や期間は、相談のときに確かめておくと予定を組みやすくなります。
よくある質問
Q. 自分の歯の黄ばみも気になります。銀歯の交換とどちらを先にすればよいですか?
A. 白い詰め物や被せ物は、作ったあとにホワイトニングで色を変えることができません。歯の色も明るくしたい場合は、先に歯の色を整え、落ち着いてから詰め物・被せ物の色を合わせる順番が検討されます。むし歯の有無によって順番が変わるため、診察で確かめてから決めます。
Q. セラミックはどんな仕組みで白く見えるのですか?
A. セラミックは陶材を主成分とする素材で、天然の歯に近く光を通す性質があります。周りの歯の色を見ながら色の濃さや透明感を調整して作るため、口の中でなじみやすいとされます。ジルコニアは強度の高いセラミックの一種で、奥歯の被せ物にも検討されます。
Q. セラミックの歯は長く使うとどうなりますか?
A. 素材そのものは色が変わりにくい一方、強い力で欠けたり、歯ぐきが下がって境目が見えてきたりすることがあります。境目からむし歯ができることもあるため、毎日の歯みがきと定期的な検診・クリーニングで状態を確かめていくことが、長く使うための土台になります。
Q. 痛みが出ていない銀歯でも、金属アレルギーが心配なら替えたほうがよいですか?
A. 金属アレルギーがうたがわれるときは、皮ふ科などで受けた検査の結果もふまえて決めます。症状がない銀歯を、すべて替える必要があるとは限りません。気になる症状があるときは、その内容を歯科医師にお伝えください。
平成14年4月 岩手医科大学歯学部歯科補綴学第二講座入局
平成14年4月 岩手医科大学歯学部大学院歯学研究科入学
平成18年3月 岩手医科大学歯学部大学院歯学研究科卒業歯学博士取得
平成18年4月 秋田県山本郡藤里町藤里町営歯科診療所所長
平成19年4月 岩手医科大学歯学部歯科補綴学第二講座助教
平成21年4月 日本補綴歯科学会専門医取得
平成21年5月 中里デンタルクリニックリニューアル開業
日本顎咬合学会 会員
日本歯科医学会 会員
日本歯科医師会 会員
青森県歯科医師会 会員
八戸歯科医師会 会員
N1会 理事
JPSA アソシエイトプロスピーカー
あわせて読みたい関連記事
