セラミックの被せ物治療後、「噛むと痛む」「冷たいものがしみる」といった違和感を覚えたことはありませんか?こうした症状にはさまざまな原因が考えられ、場合によっては再治療が必要になるケースもあります。
本記事では、治療直後やしばらく経ってから起きる痛みの原因とその対処法、セラミック治療のやり直しが必要なケースについて解説します。
◼️セラミック治療後の痛み・しみる症状の原因とは?
セラミック治療を終えたのに「痛い」「しみる」と感じるのは、決して珍しいことではありません。治療直後に起きやすい神経の反応や噛み合わせの違和感が、症状の原因となることがあります。まずは、どういったときにこうした症状が起きるのかを見ていきましょう。
①治療直後の一時的な痛みやしみる症状
治療中や直後に痛みやしみる感覚が出るのは、神経への刺激が一因と考えられます。歯を削る際の振動や熱によって歯の内部にある神経が一時的に過敏になることがあります。特に、神経を残したまま治療を行った場合は、その神経が刺激に反応し、しみたり痛んだりすることがあります。
また、セラミックの被せ物が装着されたことで噛み合わせが微妙に変わってしまい、歯に異常な力がかかって痛みが出ることもあります。このようなケースでは、噛み合わせの調整が必要です。
◼️治療から時間が経過した後の痛みや違和感
治療直後ではなく、数ヶ月、数年経ってから「違和感が出てきた」というケースもあります。セラミックが欠ける、むし歯が再発する、歯茎が下がるなど、さまざまな要因が潜んでいます。時間が経ってからの痛みの背景には何があるのでしょうか?
①二次う蝕(むし歯の再発)
セラミックと歯の境目から細菌が侵入し、内部で虫歯が再発することがあります。これを「二次う蝕」と呼び、進行すると痛みや腫れを伴うことがあります。
②セラミックの欠け・割れ
セラミックは非常に硬い素材ですが、強い衝撃や長年の使用によって欠けたり割れたりすることがあります。欠けた部分から刺激が伝わると、痛みやしみる症状が出る原因になります。
③知覚過敏
歯周病や加齢によって歯茎が下がり、象牙質が露出すると、知覚過敏を引き起こすことがあります。冷たい水や風などでも強く反応する場合があります。
④噛み合わせの変化による負担
セラミックは天然歯よりも硬く、時間が経つと天然歯が摩耗し、バランスが崩れます。その結果、噛んだときにセラミックが強く当たり、痛みを生じることがあります。
◼️治療後に痛みやしみが出た場合の対処法
「治療後に痛いけど我慢している」という方も少なくありません。実は、症状に応じた適切な対処法を取れば改善できる場合もあります。放置せず、早めに適切な判断をすることが症状を和らげる第一歩です。
①冷たい・熱いものがしみるとき
軽度のしみる症状であれば、時間の経過とともに落ち着くことがあります。2~3ヵ月ほど様子を見るのが一般的です。ただし、日常生活に支障が出るほどの強い症状がある場合は、神経を除去する根管治療が必要になることもあります。
②噛むと痛む、違和感があるとき
噛み合わせの異常が原因の場合、歯科医院での調整により症状が改善することがあります。特に、噛んだ瞬間だけ痛むようなケースでは、被せ物の高さ調整が有効です。
③治療後しばらくしてから症状が出たとき
時間が経ってから痛みが出る場合は、むし歯の再発や歯周病による知覚過敏が疑われます。放置せず、早めに診察を受けることが重要です。
なお、再治療が必要と診断された場合は、一般的に2〜3回程度の通院が必要になることが多く、症状や治療内容によって異なります。
また、セラミックの被せ物を再作製する場合、素材や工程により、1本あたりおおよそ5万円〜15万円(税込)程度の費用がかかることがあります。
◼️セラミック治療のやり直しが必要なケースとは?
すべての不具合が調整で改善できるわけではありません。再治療が必要になるのはどんなときか、見極めが重要です。具体的な判断基準を押さえて、適切なタイミングでの対応につなげましょう。
①むし歯や歯周病による再治療
むし歯が再発した場合、被せ物を一度取り外し、むし歯治療をした上で新しい被せ物を作成する必要があります。歯周病の進行により、歯と被せ物の間に隙間ができた場合も同様です。
②根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)
歯の根の先に膿がたまり、噛んだときに強い痛みが出ることがあります。この場合は根管治療が必要であり、セラミックも再作製することが求められます。
③色味や形状が合わない場合
審美的な問題で再治療を希望する方も多くいらっしゃいます。色味が周囲の歯と合っていない、被せ物の形が不自然に見えるといったケースでは、新たに作り直すことが一般的です。
④セラミックの破損や歯肉退縮
破折や欠けが大きい場合には修理が困難で、新たな被せ物の作成が必要になります。また、加齢や歯周病で歯茎が下がり、被せ物との境目が目立つようになった場合も再治療が検討されます。
◼️早めの相談が安心につながります
セラミック治療後の痛みやしみる感覚は、決して珍しいものではありませんが、原因によっては放置すると悪化することもあります。症状に気づいたら、まずは歯科医院に相談し、適切な処置を受けることが大切です。
◼️まとめ
セラミック治療後の痛みや違和感は、必ずしもトラブルとは限りませんが、症状によっては見過ごせないサインです。原因と対処法を知ることで、適切な判断と安心の治療につながります。少しでも気になることがあれば、まずは歯科医師への相談をおすすめします。
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八戸市
補綴専門医
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中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
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