矯正治療は「歯並びを整えたら終わり」ではありません。矯正治療が完了した後に注意を怠ると、せっかく整った歯が後戻りしてしまうことがあります。
後戻りとは、矯正治療によって整えられた歯並びの位置が少しずつ変わっていく現象を指します。
この記事では、後戻りの原因と後戻りが起きやすい人の特徴、対策について詳しく解説します。
■後戻りの主な原因
①リテーナーの使用不足
リテーナーは、矯正治療後の歯並びを維持・安定させるための装置です。矯正治療によって移動した歯は、しばらくの間元の位置に戻ろうとする力が働きます。
そのため、矯正治療後にはリテーナーを使用して歯の位置を保持することが重要です。
しかし、患者さんがリテーナーの装着を怠ったり、装着時間が短かったりすると、歯が再び元の場所へと動いてしまいます。
②成長期の変化
子どもや若年層の場合、成長期における顎の発達や歯の自然な移動が後戻りの原因となることがあります。
③歯の自然な動き
大人でも、年齢とともに歯が自然に動くことがあります。
■後戻りが起きやすい人はどんな人?

後戻りが起きやすい人にはいくつかの共通点がありますが、
今回は特に以下3つの要因について詳しく解説します。
①部分矯正をしていた人
部分矯正は、全体的な矯正治療に比べて特定の部分だけを矯正する方法です。この方法は、特定の歯だけが問題である場合や、短期間での治療が求められる場合に選ばれることが多いです。
しかし、部分矯正は全体のバランスや噛み合わせなどの重要な要素が考慮されないことがあり、後戻りが起きやすい傾向があります。
また、部分矯正では特定の歯が動かされる一方で、他の歯がその動きに対応しきれない場合があります。この不均衡が原因で、治療が終わった後に歯並びが再び乱れることがあります。
②舌癖・爪噛みの癖などがある人
舌癖や爪噛みの癖がある人も、後戻りが起きやすいとされています。
舌癖とは、無意識のうちに舌を上下の前歯に押し付ける癖のことを指します。
この癖が続くと、前歯が前方に押し出され、歯並びが再び乱れる原因となります。また、爪噛みは歯に不自然な力を加えるため、歯が少しずつ動いてしまうことがあります。
矯正治療中からこれらの癖を直すためのトレーニング(MFT)を行うこともあります。
③親知らずがある人

親知らず(第三大臼歯)が存在することも、後戻りの原因の一つです。親知らずは、通常20歳前後に生えてくることが多いですが、この時期に他の歯がすでに並んでいる場合、親知らずの生えるスペースが十分にないことが多いです。
スペースが足りない場合、親知らずが他の歯を押し出し、歯並びが乱れることがあります。
特に、矯正治療を受けた後に親知らずが生えてくると、せっかく整えた歯並びが再び乱れるリスクが高まります。親知らずが原因で後戻りが起きることを防ぐためには、親知らずの抜歯を検討することが有効です。
歯科医師と相談し、親知らずの生える可能性やその影響を予測した上で、治療計画を立ててもらいましょう。
◾️後戻りを防ぐための対策
①リテーナーを正しく使う
リテーナーの適切な使用が、後戻りのリスクを軽減します。
リテーナーは、少なくとも矯正治療にかかった期間(2年矯正に時間がかかった場合は、2年のリテーナーの使用が必要)は就寝時に使用するようお伝えしています。
②定期的な歯科検診の受診
定期的に歯科検診を受けることで、歯の動きを早期に発見し、適切な対策を行うことができます。当院では3ヶ月に一度の歯科検診を患者様にお声かけしています。
③歯周病予防の徹底
特に歯周病は歯を支える歯槽骨や歯茎に影響を与えるため、歯の移動や後戻りの原因となり得ます。歯周病を予防するためには、毎日の丁寧な歯磨きとフロスの使用、定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニングが欠かさないようにしましょう。
■まとめ
当院では、インビザラインを用いた矯正治療を行っております。インビザラインは透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくく矯正治療を続けられる方が多いです。
さらに、当院では初回の相談料や簡易検査が無料となっており、矯正後の後戻り治療についてもお気軽にご相談いただけます。
「矯正治療をしたことがあるけど後戻りしてきた」
などのご相談は気兼ねなくお申し付けください。
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八戸市
補綴専門医
セラミック
ジルコニアホワイトニング
インビザラインGO(マウスピース矯正)
中里デンタルクリニック.
歯科医師 歯学博士 中里好宏
住所:八戸市鷹匠小路12-1
Instagram:@nakasatodental
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